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「ぼくはお金を使わずに生きることにした」。1年間、お金を使わず生きた29歳の青年の物語。

毎日のように、隅田川の両岸にある
隅田川テラスという歩道を、ウォーキングしています。

この場所は、ホームレスの人たちが、数多く住んでいる場所でもあります。
浅草の上流、桜橋近くにあるホームレスの人の住まいは、驚きです。

太陽光パネルが備え付けてあり、テレビ、ラジオ、
電子レンジなどの電気製品、またガスコンロまであり、
一見、何不自由ない生活をおくっているように見えます。

様々な物を拾い集め、売却したりして収入があるホームレスの人も、
多いようですが、全く収入がなくても、生きていけるライフスタイルでも
あるようです。

「ぼくはお金を使わずに生きることにした」という翻訳本が、
2011年11月に日本で出版されました。

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「お金を使わないで暮らせるか?」。

そんな疑問を持ったアイルランド出身のイギリス人の男性が、
1年間、金を使わない生活を、イギリスの南西部の港町ブリストル郊外で、
実践します。

その記録が、この本です。

衣食住。

住まいは、無料でリサイクル用品を手に入れられるウェブサイトを通じて
手に入れたトレーラーハウス。
さらに週3日、農作業を行うことで、農場の一角にそれを置かせてもらいます。
その屋根には太陽光発電パネルがとりつけています。

食べ物は?

自分で栽培するか、レストラン、スーパーなどが
廃棄したものを、いただく。
それを手作りのロケットストーブで調理します。

日用品は?

例えば、歯磨き粉、石鹸などは、
イカの甲を乾燥させたもの、植物、廃材などから手作りする。

衣類は?

不要品交換会を主催し入手。

基本は、手作り、廃棄物の転用、物々交換ですね。

移動は?

徒歩そして、自転車。
車にも乗りますが、好意に頼ったヒッチハイク。

彼は、この生活をするにあたって、リストを作り、
自分にとって必要なものを、金を使わずにいかに手に入れるか
必死に考えています。

そのリストを作ることで、自分の生活にとって何が、
本当に必要なものが見えてきています。

自分の生活も、もう一度、見つめ直し、そぎ落としていく
必要があるのかもしれません。

金を使わずに生活することは、
実は、ある意味、非常に困難でもあります。

わずかな額のものを買うために、非常な時間と手間をかけ、
自分で作ったり、交換したりしなければなりません。
働いて金を得て、それで物を買う方が楽。
それならばいっそ……と、考えたくもなります。

金を使わないと制約をかすと、金以外に使うべき手段が必要となります。

その大切な手段が、他者とのコミュニケーション。
そして分かち合いの精神。

そうして、著者は、コミュニケーションをかわし、新たな人と知り合いとなり、
その人から技術を教わり、逆にこちらもスキルを与え、人脈を広げていきます。

彼は、金を使わないという実験で、単に「生き延びられること」ではなく、
「豊かに暮らせること」を証明したいと書いています。

見事に証明したのではないでしょうか?

紀伊國屋書店のサイト。
《『ぼくはお金を使わずに生きることにした』がNHK「週刊ブックレビュー」で紹介されます。》
http://www.kinokuniya.co.jp/label/20120228120419.html

文明国で、豊かな生活、大量消費社会があるからこそ、
彼は、この実験を行うことができた、また1年という期間を
くぎったから出来たとの批判もあるでしょう。

しかし、考えてみれば、一昔前の日本の田舎・地方では、
1円もお金がなくても生活が出来ていました。

山田洋次監督の「息子」だったか、
田舎に暮らしていた親が、子供が暮らす都会に
引き取られてくるという設定がありました。
(監督の違う作品、もしくは全く別の監督の作品かも)

そこで、その親が話していたのが、
「都会はお金がなくては生活できない」
といった言葉でした。

日本で少し前、田舎では、お金がなくても、
暮らすことが出来ていたのです。

それを完全に取り戻すことは難しいかもしれませんが、
すこし考え方、価値観を戻せば、かなりのことが
出来るのではないでしょうか?

東日本大震災で、日本人の価値観は大きく変化しました。
助け合い、絆という言葉が、注目されています。

お金万能ではない世界、価値観を、
今一度、見直すべき時が来ているのではないか。
そんな気がします。

紀伊國屋書店、本書の紹介サイト、メディアでの反響、有名人のコメント。
作品にあらすじ、目次などが掲載されています。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4314010878.html

著者マーク・ボイルのサイト「フリー・エコノミー・コミュニティー」
http://www.justfortheloveofit.org/


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この本の書評も書いている建築家・作家の坂口恭平さん。
廃棄物、ゴミを利用した家や、
隅田川のホームレスの生活ぶりを描いた作品など、
マーク・ボイルに共通する視点、価値観で、
本を何冊も著しています。

「0円ハウス」、小説「隅田川のエジソン」を原作とした
堤幸彦監督の映画「HOUSE」が、2012年5月26日に公開予定です。
http://myhouse-movie.com/


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