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試合相手は敵ではなくパートナー。「ナイスファウル」といわない。フェアプレイの精神。

中学の時、一瞬ですが、
バレーボール部に入って活動しました。

すぐに試合形式の練習ができ、
地味な体力作り、トレーニングがなく、
楽しい思い出が残っています。

顧問の先生は、ちょっとユニークなクラスの担任の先生でした。
授業やクラス運営でも数々のエピソードがあるのですが、
このエントリーでは、バレーボールでの応援についてだけ記します。

二手に分かれ、練習試合を行なっていたときのこと。
あるとき、相手がサーブをミスし、ネットにひっかけました。
自分のチームは、当然のように、拍手して、コートをぐるぐる回ります。
さらに何度かして、相手チームの、サーブがはるかオーバーして、
コートの外に落ちました。
こちらは、また手を鳴らしながら、コートをぐるぐる。

そこで、後ろで見ていた先生が、試合を止め、
両チームを集めたのです。

「さっきと今、サーブミスをしたとき、
みんな拍手しながら、コートをまわったよね。なんで?」

思わぬ質問に、先輩も含め、誰もだまったまま。
しばらくして、3年の先輩が、
「相手のサーブがミスし、うちに得点が入ります。
得点した時は、拍手して、回ることにしているので……」。

「そうか。わかった自分たちが、アタックしたり、ブロックして、
点をいれたときは、そうしていい。だけど、相手がミスして、
こちら側に点が入った時は、それをやめなさい。
ミスを喜ぶことは、スポーツマンシップに反するから」

このときのエピソードを、2013年5月5日の毎日新聞、余録を読んで思い出しました。

《余録:スポーツが好きな子どもたちを持つ保護者の皆さん…
毎日新聞 2013年05月05日 00時03分》

《私立和光(わこう)中学男子バスケットボール部顧問だった
両角憲二(もろずみ・けんじ)さんが書いた「和光の丘より さわやかな風を」》
とりあげています。

弱かったバスケット部を、13年後に、東京都で1位にしたのが両角さん。
《そのサクセスストーリーを紹介したいのではない》。

取り上げたいのは、
《優勝を決めたその日、応援の保護者ら向けに両角さんが配布した》、
「和光の丘より」の内容です。

《(1)相手の不注意によるミスには拍手しない
(2)相手のフリースローの失敗に対しては拍手しない
(3)相手のファウルに対して拍手や「ナイスファウル」などの声をかけない
(4)審判のジャッジに対する不満の声はかけない》

両角さんは、対戦相手を「敵」ではなく、
《ナイスゲームを共に作る「パートナー」》と考えていたようです。

現在、和光中学・高校の校長という両角さん。
余録の筆者は、
《フェアプレーの精神が凝縮(ぎょうしゅく)された文書は10年後の今も色あせず、
いや今だからこそ光を放っている》と結んでいます。

今年の春、甲子園に久しぶりに行きました。
その時、相手の守備のミスを期待したり、
喜んでいる自分がいました。

恥ずかしながら、中学の時の先生の教えは、
まだ実践できていないようです。


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