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蒸発は死語? 失踪との違い。若者と年配の人のジェネレーションギャップ。

蒸発。

もちろんあなたはこの意味を
ご存じですね。

大きく2つあります。

1つめは、
「水分が蒸発する」という場合の意味。

こちらは、液体または固体が気化する現象のことです。

それでは、2つめの意味は、知っていますか。

「夫が蒸発する」。

これは、もちろん夫という物体が
気化する訳ではなく、理由、動機を
明らかにしないままに、いなくなること、
連絡を絶ってしまうことを言います。

なぜこの「蒸発」について書いたかというと、
朝日新聞の月に一度の清水ミチコさんの
連載で、ジェネレーションギャップの例として、
この「蒸発」が上げられていたから。

《(清水ミチコ まあいいさ)恥ずかしさで蒸発?
2018年9月28日16時30分》
https://www.asahi.com/articles/DA3S13700592.html

《こないだは私が「田舎の友達のダンナさんが
蒸発しちゃったらしくって」と、話し始めたら
「蒸発ってなんですか?」と30代と20代。
「蒸発、知らないの?」と、説明し始めると、
途中で「それって失踪のことですよね」と笑われ、
ふと恥ずかしさで自分が蒸発しそうになりました。
死語だったんですね。》

若い人は、2の意味での蒸発を知らなかったと。
かわりに使うのは「失踪」だと。

うーん。
知らないんだ、若い人は。
それに、「失踪」と「蒸発」は
ニュアンスがちょっと違うんだよなー。

「蒸発」を取り上げた理由、その2。

日本経済新聞夕刊の俳人の方の連載でも、
この2番目の意味の「蒸発」という言葉が
出てきたから。

日本経済新聞夕刊、2018年9月26日
《今生のいまが倖せ 神野紗希》
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35480490Y8A910C1KNTP00/

(俳人・鈴木真砂女の波瀾万丈の人生の記述中)

《博打(ばくち)好きの夫が蒸発し、
実家の老舗旅館に戻ると、姉が病死、
その夫の後添えに据えられる。》

それにしてもたまたまなのかもしれませんが、
「蒸発」の例が2つとも男(夫)がいなくなるもの。

男性の方が、蒸発したり失踪しやすいのかなー。

そういえば、昔、一緒に
仕事をしていた女性の旦那さん。
ある日、突然、いなくなったなー。

大学時代に習ったのですが、
このように夫、子どもなどがいなくなった場合、
その死亡を確定する「失踪宣告」というものがあります。

普通失踪と特別失踪です。

特別失踪は、従軍・船舶の沈没など
特別の危難にあった場合。
普通失踪は、それ以外。

普通失踪の失踪期間は七年。
それを過ぎると死亡したものとみなされます。

これにより相続が開始するなど、
法的な効力が発生します。

これに対して「蒸発」は、上の1の意味に
由来した、比喩的な表現、俗語ですね。

この蒸発。
清水ミチコさんを疑う訳ではないけれど、
若い人は使わないのかなー。

辞書にも載っているので、使わないまでも、
知っていてほしいですよね。

ちょうど1年前の2017年9月10月、
NHKーBSプレミアムで
「全力疾走者」というドラマが放送されました。
http://www.nhk.or.jp/pd/zenryoku/

7年の失踪宣告を獲得し、
新たな人生となることを願う男の物語です。

借金を背負った男が逃げるという設定ですが、
自分も含め多くの人が持つ、今の状況から
逃れて新たな人生を送ってみたいとの願望を
満たしてくれて、なかなか面白かったです。

ここでも失踪(蒸発)は男か。





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