野村克也、後藤新平、そして「管子」。「財を遺すは下・仕事を遺すは中・人を遺すを上」。
2020年2月11日に亡くなられた
野村克也さんの追悼抄が
2020年5月31日の読売新聞に
掲載されていました。
《財を遺すは下・仕事を遺すは中・人を遺すを上とする」…
受け継がれる野球哲学 2020/05/31 15:39
【追悼抄】野村克也のむらかつやさん(プロ野球監督)
2月11日、虚血性心不全で死去、84歳》
https://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/20200528-OYT1T50206/
このタイトル、見出しとなった言葉、
ご存じでしょうか。
【追悼抄】の最後にも引かれたこの表現は、
亡くなった野村さんが、著書、講演会などで
よくあげていらっしゃったもの。
もともとは、明治、大正、昭和の政治家、医師で、
台湾総督府民政長官、満州鉄道初代総裁、
また東京市長をつとめた後藤新平が、
劇作家・政治家の三島通陽(みちはる)に
遺した言葉とされています。
近代日本の肖像 後藤新平
https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/79.html
コトバンク 三島通陽(みしま・みちはる)
https://kotobank.jp/word/%E4%B8%89%E5%B3%B6%20%E9%80%9A%E9%99%BD-1655731
二人は日本のボーイスカウトの設立、発展に
多大な尽力をしています。
後藤はボーイスカウト日本連盟初代総長。
三島は、ボーイスカウト日本連盟初代理事長です。
後藤は晩年、全国を政治倫理を訴え遊説していました。
そのさなか、脳溢血に倒れ、そのまま亡くなるのですが、
倒れる前日に、三島に語った言葉です。
この言葉には後ろがあり、
「財を遺すは下 事業を遺すは中 人を遺すは上なり
されど財無くんば事業保ち難く、事業無くんば人育ち難し」。
後藤は何よりも人を育てる大切さ、困難さを
語っています。
しかしその人を育てるには、事業、財産が
必要であるとも語っているのです。
そこは忘れてはならないことかもしれません。
この言葉を聞いて思い出すのは、
「菅子」の中の次の文言です。
有名なフレーズですので、ご存じの方も、
多くいらっしゃることでしょう。
「一年の計は穀を樹うるに如くは莫く
十年の計は木を樹うるに如くは莫く
終身の計は人を樹うるに如くは莫し
一樹一穫なる者は穀なり
一樹十穫なる者は木なり
一樹百穫なる者は人なり」
「一年之計莫如樹穀
十年之計莫如樹木
終身之計莫如樹人
一樹一穫者穀也
一樹十穀者木也
一樹百穫者人也」
「菅子」は、
春秋戦国時代の斉国の
政治家・軍事家であった管仲と
その弟子たちが残した物とされています。
「国家百年の計」とよく言われますが、上が出典。
(もともとは百年ではなく終身)
こちらも人材を育てること、
教育の重要性を教える言葉ですね。
さて後藤新平は、上にも記したように、
医師であり、台湾総督府で、
台湾の統治に力を発揮しました。
中でも現在、注目をされているのは、
後藤が、台湾で感染症防疫に果たした役割。
日清戦争の帰還兵23万人の防疫を成功させた後藤新平は、
初代台湾総督・児玉源太郎に請われて台湾に。
当時、マラリア、ペスト、コレラなどの
感染症がはびこる台湾に、近代的な防疫、
医療体制をもたらし、多くの台湾の
人々の命を救いました。
このため100年以上たった現在でも、
後藤は台湾の人々から尊敬を集めているのです。
今回、台湾は、SARSの苦い体験から、
いち早く徹底的な防疫体制をしき、
新型コロナウイルス感染症の封じ込めに
成功しました。
その根底には、後藤がもたらし、
育てた、思想と人脈が脈々と
流れていたのかもしれません。
《100年前に医師「後藤新平」が築いた感染症防疫の礎
台湾から今も尊敬される彼の信念 連載「歴史上の人物を診る」
早川智2020.5.29 08:00AERA》
https://dot.asahi.com/aera/2020052600067.html?page=1
台湾の人々の中には、後藤新平の祖国である
日本が、新型コロナウイルス感染症で、
多くの感染者、死者が出たことをいぶかしみ、
失望した人もいたと伝えられています。
後藤新平のような政治家が現在、
いてくれたら。
彼の事績を知れば、そう思う人が
益々増えるに違いありません。
後藤新平記念館
http://www.city.oshu.iwate.jp/shinpei/
緊急特別展、《「日清戦争帰還兵検疫事業」
~帰還兵23万人への世界史上最大規模の検疫事業~》
開催中。
産経新聞、有料会員限定
《検疫指揮の「後藤新平はいないのか」
台湾で揺らぐ「日本神話」新型肺炎対応に失望
2020.2.21》
https://special.sankei.com/a/international/article/20200221/0001.html
野村克也さんの追悼抄が
2020年5月31日の読売新聞に
掲載されていました。
《財を遺すは下・仕事を遺すは中・人を遺すを上とする」…
受け継がれる野球哲学 2020/05/31 15:39
【追悼抄】野村克也のむらかつやさん(プロ野球監督)
2月11日、虚血性心不全で死去、84歳》
https://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/20200528-OYT1T50206/
このタイトル、見出しとなった言葉、
ご存じでしょうか。
【追悼抄】の最後にも引かれたこの表現は、
亡くなった野村さんが、著書、講演会などで
よくあげていらっしゃったもの。
もともとは、明治、大正、昭和の政治家、医師で、
台湾総督府民政長官、満州鉄道初代総裁、
また東京市長をつとめた後藤新平が、
劇作家・政治家の三島通陽(みちはる)に
遺した言葉とされています。
近代日本の肖像 後藤新平
https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/79.html
コトバンク 三島通陽(みしま・みちはる)
https://kotobank.jp/word/%E4%B8%89%E5%B3%B6%20%E9%80%9A%E9%99%BD-1655731
二人は日本のボーイスカウトの設立、発展に
多大な尽力をしています。
後藤はボーイスカウト日本連盟初代総長。
三島は、ボーイスカウト日本連盟初代理事長です。
後藤は晩年、全国を政治倫理を訴え遊説していました。
そのさなか、脳溢血に倒れ、そのまま亡くなるのですが、
倒れる前日に、三島に語った言葉です。
この言葉には後ろがあり、
「財を遺すは下 事業を遺すは中 人を遺すは上なり
されど財無くんば事業保ち難く、事業無くんば人育ち難し」。
後藤は何よりも人を育てる大切さ、困難さを
語っています。
しかしその人を育てるには、事業、財産が
必要であるとも語っているのです。
そこは忘れてはならないことかもしれません。
この言葉を聞いて思い出すのは、
「菅子」の中の次の文言です。
有名なフレーズですので、ご存じの方も、
多くいらっしゃることでしょう。
「一年の計は穀を樹うるに如くは莫く
十年の計は木を樹うるに如くは莫く
終身の計は人を樹うるに如くは莫し
一樹一穫なる者は穀なり
一樹十穫なる者は木なり
一樹百穫なる者は人なり」
「一年之計莫如樹穀
十年之計莫如樹木
終身之計莫如樹人
一樹一穫者穀也
一樹十穀者木也
一樹百穫者人也」
「菅子」は、
春秋戦国時代の斉国の
政治家・軍事家であった管仲と
その弟子たちが残した物とされています。
「国家百年の計」とよく言われますが、上が出典。
(もともとは百年ではなく終身)
こちらも人材を育てること、
教育の重要性を教える言葉ですね。
さて後藤新平は、上にも記したように、
医師であり、台湾総督府で、
台湾の統治に力を発揮しました。
中でも現在、注目をされているのは、
後藤が、台湾で感染症防疫に果たした役割。
日清戦争の帰還兵23万人の防疫を成功させた後藤新平は、
初代台湾総督・児玉源太郎に請われて台湾に。
当時、マラリア、ペスト、コレラなどの
感染症がはびこる台湾に、近代的な防疫、
医療体制をもたらし、多くの台湾の
人々の命を救いました。
このため100年以上たった現在でも、
後藤は台湾の人々から尊敬を集めているのです。
今回、台湾は、SARSの苦い体験から、
いち早く徹底的な防疫体制をしき、
新型コロナウイルス感染症の封じ込めに
成功しました。
その根底には、後藤がもたらし、
育てた、思想と人脈が脈々と
流れていたのかもしれません。
《100年前に医師「後藤新平」が築いた感染症防疫の礎
台湾から今も尊敬される彼の信念 連載「歴史上の人物を診る」
早川智2020.5.29 08:00AERA》
https://dot.asahi.com/aera/2020052600067.html?page=1
台湾の人々の中には、後藤新平の祖国である
日本が、新型コロナウイルス感染症で、
多くの感染者、死者が出たことをいぶかしみ、
失望した人もいたと伝えられています。
後藤新平のような政治家が現在、
いてくれたら。
彼の事績を知れば、そう思う人が
益々増えるに違いありません。
後藤新平記念館
http://www.city.oshu.iwate.jp/shinpei/
緊急特別展、《「日清戦争帰還兵検疫事業」
~帰還兵23万人への世界史上最大規模の検疫事業~》
開催中。
産経新聞、有料会員限定
《検疫指揮の「後藤新平はいないのか」
台湾で揺らぐ「日本神話」新型肺炎対応に失望
2020.2.21》
https://special.sankei.com/a/international/article/20200221/0001.html
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