あなたは、「スカブラ」という言葉をご存じでしょうか?
ノルウェーの、
《強風によって雪面が波状になって固まる現象。
ふつう、風の向きと直角にできる。》
という方ではなく、
筑豊炭鉱で使われていた言葉で、
ある種の炭鉱労働者のことだそう。
スカブラは、
仕事をせず、やることとと言えば、
時計を見に行き、時を仲間に告げる、
そしてホラ話、卑猥(ひわい)な話をして、
仲間を笑わせる人のことなんだとか。
地底の奥深く、過酷な状況で働く炭鉱労働者。
そんな中で、ひとかけらの石炭も掘り出さず、
馬鹿話をする人物が認められていたとは。
スカブラは、また「ウサギ坑夫」
とも呼ばれていたのだとか。
兎は後脚が長く前脚が短く、
坂を昇るときは早いけれど、下りは遅い。
そのウサギのようにスカブラは、
坑内に下るときは、一番遅く、
坑内から上に昇るときは一番早いので、
こうした名前がついたのだそう。
面白いですね。
スカブラは無駄の象徴のような存在。
しかし仲間は、必要として公認していたようです。
けれど、炭鉱の経営が厳しくなって、
無駄を排除するという段になり、
合理化のため、経営者は、
働いていない「スカブラ」の首を切ったそう。
働かない非合理な存在のスカブラ。
スカブラがいなくなった炭鉱内は、
けれど志気がおち、効率も下がって
しまったのだとか。
スカブラが認められる社会。
実は大切なことかもしれません。
追記 2023年1月18日
〇このエントリーも定期的にアクセスが集まります。
今日もアクセスが集中。
ますます「スカブラ」が必要な時代になっているのかも。