2012年03月14日 - 未分類 97歳で現役の、女性初の報道写真家の笹本恒子さん。このブログでご紹介しました。その後も、本を出版され、テレビ、ラジオ、新聞などに、数多く登場していらっしゃいます。2012年3月14日、毎日新聞夕刊の「新幸福論」で、 インタビューに答えていらっしゃいます。その中で、特に印象に残ったのが、最後の部分。インタビュアーが、笹本さんに、《97年の人生で、どの時代が良かったですか》と尋ねています。戦中、敗戦直後の食糧難の話をされた後、次のように続けられています。《戦前は確かに物質的には貧しかったけど、人のつながりは今よりあった気がします。わたくしの家の前がチンチン電車の終点でした。当時は車もなく、一つ手前の停留所に人力車のたまり場があっただけ、わたくしの母と祖母が話し合って、玄関前に蛇の目傘30本ほどおいて、「ご自由にお使いください」と。雨が降ると、みなさん傘を持っていきました》。さて、その後、どうなるのでしょうか?《翌朝、玄関前で「ありがとうございます」と男の人の大声がしたり、おみかんを少々持って「主人がお世話になりました」と傘を返しに来るご婦人がいましたね。ちょっとしたことだけど小さな幸せかもしれない》。最後の最後、笹本さんは、受け取り方によっては、痛烈な一言を発して、締めていらっしゃいます。《今の時代ならば、傘は戻ってくるかしら》。どうでしょうか?以前、駅にやはりこうした善意の傘を置いたところ、傘が3割ほどしか返ってこず、補充を重ねているものの、非常に困っているというニュースがありました。(西武新宿線沼袋駅。「沼袋アンブレラハウスの会」)調べて見ると、こうした傘の無料貸し出し。いろいろな所で、行なっていますね。城崎温泉 「みんなの傘 善意の傘」http://kinosaki.co.jp/mkasa.htm大阪市狭山市金剛駅http://www12.ocn.ne.jp/~simin025/sub4x2.htm兵庫県赤穂市、JR播州赤穂駅「もちより傘」http://www.ako-minpo.jp/news/5177.html東京都葛飾区亀有、「カメカサ」http://www.kameari-net.com/kamekasa/渋谷、「シブカサ」http://shibukasa.com/「シブカサ」は見かけたことがありますね。確かもともとは、学生が社会起業として始めたはず。続いているようですね。東京都の都立公園で、傘の貸し出しをやっているよう。《ふれあい傘の無料レンタルサービス》http://www.tokyo-park.or.jp/search/documents/091204_rentalparasol.pdf昔と変わらず、公徳心があり、人とのつながりもある、まだまだ日本も捨てたもんじゃないと、胸を張って言いたいものですね。笹本さんが、2月21日に出された一冊。《97歳の幸福論。ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣》(アマゾン)さらに、この春、自伝を出される予定だそう。関連エントリー《97歳の現役写真家。元祖・カメラガール? 毎晩1杯のワインが健康の秘訣。笹本恒子さん。》