2015年1月12日、成人の日ですね。
今朝の毎日新聞の「週刊漢字」に、
新成人にまつわる言葉が3つ紹介されていました。
小冠者=こかんじゃ、
「元服して間もない若者」
逓減=ていげん、
「次第に減ること」
そして、
「可惜身命」=(あたらしんみょう)です。
可惜身命は、
「体や命を大切にすること」。
可惜=あたらは、記事にも書かれていますが、
「あたら若い命を」といった使い方をされます。
あたらは、「惜しくも」といった意味です。
可惜身命の反対の言葉は、
「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」。
この言葉、聞いた事がありませんか?
もうずいぶん前になりますが、
現在、親方として活躍している貴乃花親方が、
1994年横綱に昇進した時、
昇進伝達式の使者に挨拶した時に使われました。
「相撲道に『不惜身命(ふしゃくしんみょう)』
を貫く所存です」。
ちなみに前の年、大関に昇進した時の挨拶は、
「今後も『不撓不屈(ふとうふくつ)』の精神で、
力士として相撲道に『不惜身命(ふしゃくしんみょう)』
を貫く所存でございます。」でした。
「不惜身命」は、もともと仏教用語、
法華経譬喩品 (ひゆぼん)の中に出てくる語です。
仏道を修めるためには、みずからの身体、
命もかえりみないことを意味します。
ちなみに「不撓不屈」は先代の親方から、
「不惜身命」は俳優の緒形拳さんから、
いただいた言葉だとか。
《週プレニュース》
《貴乃花親方が明かす、昇進の口上
「不撓不屈」「不惜身命」の由来 [2011年12月15日]》
http://wpb.shueisha.co.jp/2011/12/15/8594/三井寺、《仏教豆百科》《不惜身命》
http://www.shiga-miidera.or.jp/doctrine/be/122.htmこの言葉は、緒形拳さんが
大切にされていた人生訓だったようです。
緒形拳さんは、独特の味のある字を書く、
書家としても知られていました。
緒形拳さんの身内だけのお葬式の
祭壇には、直筆の「不惜身命」が
飾られていたそうです。
自分の身体、命を大切に生きるが、
信じる道を究めるためには、
身体、命を惜しまない。
そんな人生を送りたいものです。