外苑西通りを横断しようとしたところを、タクシーにはねられ、
頭や腰を強く打つ重傷を負ったとのこと。
当初、一部の報道では命に別条はないと報じられていただけに、
意識を回復することなく、亡くなったというのはショックでした。
この現場ですが、自分も行ったことがあり、知っています。
外苑西通り。
片側2車線ある大きな通りで、交通量も多い道です。
この辺りは直線で、見通しはいいですね。
おおよそ新宿御苑の東隣りで、北に行くと、新宿通りの新宿4丁目の交差点。
南に行くと大京町。
大京町の交番辺りから、道は曲がっており、見通しが悪いため、
道路中央にガードレールがあり、渡れなくなっています。
(無理をすれば渡れる。事故が起こった所は、中央分離帯はあるが、
少し高くなっているだけなので、比較的、簡単に渡れる)
さらに行くと中央線の高架をくぐって千駄ヶ谷です。
近所の住人などの証言によれば、若松監督は、数十メートル先にある
横断歩道(おそらく内藤町の信号、郵便局がある所)まで行かずに道路を横断。
中央分離帯を越えたところで、左から来たタクシーにはねられたとのこと。
現在、タクシーを運転していた70代の運転手から事情を聞いて、
事故原因を調べているようです。
若松監督は、近年も次々、作品を発表し、
年齢を感じさせない精力的な活動を続けていました。
今回の事故、逝去で76歳という年齢を
改めて知らされ、驚いています。
ここからは、筆者の想像なので、
事実と異なる点があるかもしれませんが、お許し下さい。
若松監督は、自分の体力を信じ、
信号・横断歩道を渡らず、
道路を横断してしまったのではないでしょうか?
現場は千駄ヶ谷にある若松プロダクションのすぐ近く。
おそらく初めての道ではなく慣れた道。
大丈夫だからと渡る。
しかし、身体の方はついていかなかった。
意識は若い時のままだが、身体は、年相応に衰えており、
横断歩道でない場所を横断して事故にあう、
そうした高齢者の事故が多いと聞いています。
警視庁、《防ごう!高齢者の交通事故!》
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/kourei/koureijiko.htm《横断禁止の標識があるところは、絶対に横断してはいけません。
横断禁止場所を横断することは、死亡事故に直結する危険行為です。
夕暮れ時から夜間に外出するときは、
明るい色の服装や反射材を身につけましょう。》
《道路を渡るときは、横断歩道や横断歩道橋を横断しましょう。
自宅付近だから、いつも通っているところだから…
「大丈夫」とは限りません。》
ギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロス。
アテネ近くのピレウス郊外で、新作映画の撮影中、
トンネル内の道路横断している時に、バイクにはねられ、
頭を強打、病院に搬送され、2012年1月24日、76歳で亡くなっています。
高齢者といわず、40代、50代でも、若い時のままの意識で、
無理をして怪我をしたり、事故にあったり。
若松監督は、釜山国際映画祭に出席され、
8日に帰国、翌9日には千葉県柏市でのトークショー。
お疲れはなかったのでしょうか?
お酒と美味しいものが好きだったという若松監督が、
夜10時過ぎということで、
お酒を召し上がっていなかったのかも気になります。
お酒を飲んでいると、思っている以上に、
身体の機敏性は失われているものです。
亡くなった若松監督を責めているのではありません。
年をとっても意識は若かったときの感覚のまま。
けれど、体力は特別に鍛えたりしていなければ、
年相応に衰えている。
意識と肉体のギャップがあり、意識を信じていると、
思わぬ怪我をしたり、事故に遭いやすいので、
気をつけねばと言いたいのです。
意識を若く持つ。
大切なことだと思います。
けれど、肉体は確実に衰えています。
それを常に意識して、行動は慎重に。
身体の衰えに驚いている
自分自身への、戒めでもあります。
あなたはいかがでしょうか?