2017年12月06日 - 未分類 羽生善治さんが、竜王戦で勝利し、永世七冠を達成しました。タイトルをとれないで終わる棋士が多い中、タイトルをとり、しかも「永世」の称号を七つも獲得するとは、前人未踏。その強さ、その持続性は想像を絶します。そんな羽生善治さんが、将棋に出合ったのは、 小学1年生の時。ご両親ともに将棋を指さなかったので、家には将棋盤も駒もなかったので、友人の家で。初めは、まわり将棋、はさみ将棋で遊んでいたとか。小学2年で八王子将棋クラブに入ります。本来、スタートは八級からなのに、羽生さんは余りにも弱くて、十五級からでした。凡人の自分をちょっとだけ安心させてくれます。人より後ろから始めた将棋。けれど一歩一歩、努力を積み重ね、級を上げていきます。一生懸命、やっても勝つためのコツが分からない将棋。かえってそれが面白くて、のめり込んでいったと言います。その才能は、すでに小学生の時に花開き、小学生名人となり、中学生で棋士に。入門して10年で七冠を制覇。以前、インタビューで語っていた言葉がとても印象に残っています。オリンピックのように4年に一度でなく、毎週のようにある試合。なので、モチベーションをずっと高く保ち続けるのは不可能。ある意味、割り切ることが必要。そのためには、勝っても負けても感傷にひたらず、すぐに忘れること。将棋は個人競技だから、ミスや負けを突き詰めると、他人や環境のせいにできず、自己否定になる。なので、勝ち負けを余り深く考えず、いい加減なところも必要だと。また棋士生活は、マラソンのように決まったゴールがないので、遠い先のことは考えず、とりあえず目の前の5キロ、10キロをがんばり、その結果として何百キロと進めたらいい。そんな考えを述べていました。永世七冠で将棋を極めたように思える羽生善治さんですが、今でも将棋のコツはわからないそう。それだけ将棋は奥の深いゲームなんでしょうね。人生もいわばゴールのわからない競技。目の前の一歩、一歩を大切にすることが、より良く生きるコツなのかもしれません。《迷いながら、強くなる (知的生きかた文庫)》(Amazon)今やチェス、将棋などでは、人間を超えてしまったと言われる人工知能。その最前線を羽生善治さんが追いかけたNHKスペシャルがとても印象的でした。番組から生まれた一冊です。《人工知能の核心 (NHK出版新書 511)》(Amazon)