2013年11月16日、仕事で、80歳の方にお目にかかりました。
昔の話など伺ったのですが、
驚いたのは、固有名詞がよどみなく、
すらすらと出てくること。
こちらが、質問すると、
「えっと……」とか「あのー」とか言わず、
「それは、昭和38年ですね」とか、
「その城は、小諸城です」とか、
即座に答えがかえってくるのです。
その方より当方は、随分年下ですが、
「えっと、あれは、確か、10年くらい前だったかなー」
なんて、おぼろげな答えしか出来なかったり、
「うーんと、誰でしたっけ?」とか、「どこだったかなー、
確か長野の方の……」なんて、人名、地名など、
全然出てこなかったりします。
すらすらと答えが出てくるコツを伺ってみました。
お返事は、
「好きなことに関連して覚えているんですよ」とのこと。
その方は、文学、映画がお好きなのですけれど、
あの作品を見たのは、近所の映画館。
暑い時分自分だったので、汗がだらだら出て、
始終、タオルでぬぐいながら見た。
その体験が昭和38年の夏だとすると、
それに、例えば、その時の売り上げは、
1億3400万円でとか、覚えるべきことを結びつけるのだと。
またその方は、日本の各地に行っており、
その土地を訪れた体験も、やはり仕事や
世間の出来事、人名などに結びつけているとのこと。
例えば、取引先の佐藤さんと知りあったのは、
丁度、冬至の頃、和歌山県の尾鷲に行く前だった。
旅行前に、旅行鞄に荷物を詰めながら、名刺を、
本棚の一番上の名刺入れに置いたなーといった具合です。
とにかく五感で体験したことに、
記憶したいことを紐付けすると記憶に残りやすいとのことです。
あと、その年代の方に多いかもしれないのですけれど、
スマートフォンはもとより、携帯電話、パソコンなど、
デジタルにはほど遠い生活を送っており、メモは手書き、
手紙、葉書もよく書くとのこと。
手書き、機械、コンピューターなどに頼り切らない
アナログな生活というのが、
記憶力強化にはいいかもしれないですね。
○2013年11月16日、午後8時45分頃、東京都中央区、地震。
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