もう20年ほど前になるのですが、
新宿区河田町の取引先で、
平日の夕方から深夜まで働いていました。
仕事が終わると職場でビールとつまみで一杯。
ちょうどバブルの頃だったので、
そんなことが当たり前のように行われていました。
そのおつまみは、一番下っ端であった自分の役目。
あるときその職場の一番上の上司から、
「タクシー使っていいから、ムロで餃子買ってきて」
と頼まれました。
上司は、早稲田大学の出身。
大学の頃から通っていた餃子屋があり、
そこの餃子が大好きだったので、それを
買ってこいということだったようです。
そうムロというのは餃子店の名前で、
正確には「餃子荘ムロ」。
http://gyouzasou-muro.com/(今見たら、営業時間は午後5時から
10時までになっていました。)
スタッフが大人数だったので、
一人1個でも結構な数になるので、
事前に電話して予約。
上司の名前を言うと、すぐにわかってくれました。
タクシーで着くと、そのままタクシーを待たせ、
線路沿いの道から路地入り、店に。
間口の狭いとっても小さなお店でした。
しかし遅く行ってもいつも混んでいましたね。
お金と引き替えに、焼き上げた餃子を渡してもらい、
タクシーに引き返し、取引先に帰ります。
そのままビールとムロの餃子で乾杯。
それから1時間あまり、反省会と称する飲み会が
続いたのでした。
という訳で毎日のように通い、
職場で食べていたムロの餃子。
(基本的にニラもニンニクも
入っていない小さめの餃子)
女将さんには、いつもお世話になっていたのですが、
その思いもしなかった最近の様子が、
2018年3月23日の毎日新聞夕刊に掲載され、
驚いてしまいました。
《DJ・SUMIROCKさん 店で中華鍋ふるい、ブースで円盤回す》
https://mainichi.jp/articles/20180323/dde/012/070/003000cお店も経営し、キッチンに立ちながら、
なんとクラブでDJ 「SUMIROCK」として
活躍されているんですね。
現在60歳。
DJ を始めたのは、70歳を過ぎて(72歳)行った
クラブ通いかきっかけ。
本格的にデビューしたのは5年ほど前の77歳だそう。
いやー、すごいなー。
DJ挑戦を勧めてくれた知り合いのフランス人が、
現在、マネジャーをつとめ、フランス、
ニュージーランドなど海外のイベントでプレー。
また歌舞伎町を中心にほぼ月2回のペースで
出演しているとのこと。
記事の最後に紹介されている
女将さんの言葉がこれまたしびれます。
「いつも言っているんですけど、最期はDJブースかお店の
調理場で迎えたい。にぎやかな、みんなのいるところで」。
その取引先が引っ越し、
またバブルがはじけ、
夜の反省会、タクシーでの買い出しは
なくなってしまいました。
それから2度3度、店を訪れていなかったのですけれど、
久しぶりにムロの餃子を食べて、
女将さんの元気な姿を見たくなりました。