2018年08月31日 - 未分類 ご近所に書道の先生がいます。サラリーマンとして勤めをしながら、書道を本格的に習い始め、毎日百枚単位で、字を書き続け、数々の展覧会で入賞。その流派で師範の資格もとりました。その師範から興味深い話を聞きました。 師範に、数年前、ひ孫さんが出来たそう。先日、お宅に来たとのこと。お孫さんから、曾孫さんは字を習っていて、ひらがなならかなり書けると告げられたと言います。筆で書くことも教えてあげようと、道具を用意して、筆をもたせ、筆の上を持って一緒に指導。そしたら、筆で書く感覚がそれまでと違っていたのが、面白かったらしく、その後、一人で書かせたら、何枚も何枚もひらがなを書き始めたとのこと。後ろでずっと見ていたそうですが、ひ孫さんは、周囲の様子を気にせず、字を書くことに集中。時折、笑みを浮かべながら、ただただ字を書き連ねていったそう。そうこうする内に、夕飯の時間に。その子のお母さんやおばあちゃんが、声をかけても全く気づかなかったそう。その姿を見て、師範は、はたと、現在の自分に欠けているものに気づいたと言います。そう、自分はうまく書きたいとか、これを展覧会に出したいとか、書くときに邪念が入り、字を書くことに集中していない。すなわち無心になれていない。また字を書くことを心底、楽しめていない。無心にひらがなを書く曾孫から、大切なことを教わったと教えてくれました。この話を聞いて、ずいぶん前に知ったピカソ、岡本太郎の逸話を思い出しました。二人は、すべての子供は天才である。子供であれと説いていました。大人にになるにつれて、周囲の評価を気にして、ダメになっていくと。近所の書道師範も同じことを感じたようです。「ようやく子供のように描けるようになった。ここまで来るのにずいぶん時間がかかったものだ」(ピカソ)初心、無心。どうしたら取り戻せるのでしょうか。自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)posted with ヨメレバ岡本 太郎 青春出版社 2017-12-09 AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo7net