あるところで、ご飯を食べた後に、
緑茶を出してくれました。
湯飲み茶碗になみなみ。
濃い緑茶は大好きでたっぷりと飲みたい方ですが、
これには、少し閉口しました。
そしてある言葉を思い出したのです。
腹は八分目、
お茶は七分目。
あなたは、聞いたことがありますか?
前半の腹は八分目は、「腹八分は医者いらず」
などとも言いますね。
食事は、満腹になるまで食べるのではなく、
八分目まででとどめておくと、
健康を保つことが出来るという意味。
よく知られていますが、後半のお茶は七分目とは?
こちらは、お茶のいれ方。
お茶を湯飲み茶碗に入れるときは、
縁まで一杯に入れないで、
七分目ほどにとどめておくこと。
こちらの方が見栄えがよく、
こぼす心配がなく、飲みやすいから
と教わりました。
少な目についで、足りなければ、
お客様にすぐお注(つ)ぎしますよ
との出す方のもてなしの心を示す
意味会いもあるのだそう。
腹八分目、茶七分目も、実は、それ位で留めておくのが、
美味しさを一番感じ、深く長い満足感を得るのだということ。
日本料理店のご主人にも同様な話を伺いました。
料理は、食べ手に完全なる満足を与えてしまうと
後が続かないというのです。
あともう少しと不足を感じる方が、
次また食べに来よう
という気分になるのだと。
お腹いっぱい(量)、大満足(質)となると、
一度きりで終わってしまうことが多いのだそう。
完璧から少し引いた味というのが、
実は理想なのかもしれません。
東日本大震災の後、節電が言われます。
これまでより10%、20%少なくした、
ほの暗い明りでも慣れてしまえば、なんともない。
逆に少し足りないくらいが丁度良いと大勢の人が感じています。
小欲知足。
今後、人生を幸せに送るために心しておくべき言葉でしょう。
となると、人生も少し「やり残し」が
ある方がいいのかもしれませんね。