2013年07月14日 - 未分類 2013年7月14日、読売新聞。《五郎ワールド》特別解説委員の橋下五郎さんが書かれています。《「国の奴雁」でありたい》との見出しが付いています。「奴雁」は、「どがん」。福澤諭吉が「民間雑誌」との啓蒙雑誌に載せた文章を引用しています。 〈語に云く、学者は国の奴雁なりと。奴雁とは、群雁野に在て餌を啄むとき、その内に必ず一羽は首を掲げて四方の様子を窺い、不意の難に番をする者あり、之を奴雁と云う。学者も亦斯の如し〉と続きます。また「福澤諭吉辞典」もひき、〈「学問を修得した者は、奴雁のように時流に流されず、大局から世の中を見据えて議論すべきであるという意」と。以前、この「奴雁」については、別のブログで書いたことがあります。一般には、「雁奴」で知られています。以前、書いた時は、元日銀総裁の三重野康氏が、《この道》の中に書かれたのを機に記しました。第24代日銀総裁・前川春雄さんの好きな言葉だったそうです。(石油ショックの頃の総裁。前川レポートで知られる)前川氏は、「日銀は国の奴雁でなければならぬ」との信念を持っていたとのこと。コトバンク《雁奴(ガンド)》http://kotobank.jp/word/%E9%9B%81%E5%A5%B4デジタル大辞泉では、《[補説]「奴雁」としたのは福沢諭吉という説があるが、真偽不詳。》とあります。《古田健司のBusiness insight(見識・洞察)「奴雁(どがん)に学ぶリーダーの基本姿勢」》http://www.bit89.co.jp/library/2009-08v1.pdf仲間の安全のため、見張りを行う存在。そうした役割を果たすことができるようになりたいものですね。関連エントリー《トクダス》《2010年10月5日に知った言葉、「奴雁」(どがん)。》追記2018年1月31日本日の日経新聞文化面の「交遊抄」は、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英(きうち・たかひで)さんの「奴雁の精神」。(有料会員限定)https://www.nikkei.com/article/DGKKZO26315550Q8A130C1BC8000/青木周平さんから、この「奴雁」という言葉を教わったそうです。《「奴雁」(どがん)という言葉を辞典で確認したい。福澤諭吉が使った言葉らしい。》http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000133742追記 2023年1月11日〇今朝の朝日新聞、多事奏論、オピニオン編集部記者駒野剛さん。《揺らぐ国民生活 黒田日銀 奴雁になれているか》有料記事https://www.asahi.com/articles/DA3S15523624.htmlとの記事を書かれています。前川春雄第24代日銀総裁が日銀の組織を「奴雁」と言ったとし、言葉の由来、意味を説明、石油危機で激しいインフレが起こった際、前川総裁が、インフレ抑制のため、公定歩合を上げ対処したことを記しています。その後、現在の日銀の状況にふれ、《黒田日銀は国民が見えていないのでは》、また《物価の安定こそが中央銀行の役割のはずだが、この10年、音沙汰なしだ》と批判。《国民の生活を顧みぬ日銀などいらない》と述べています。「戦後歴代日銀総裁とその時代」《この「奴雁」という言葉は、福澤諭吉の論集にある由で、次のように説明されている。「群雁野に在りて餌をついばむとき、そのうち必ず一羽は首を掲げて四方の様子を窺ひ、不意の難に番するものあり、之を奴雁という」。前川総裁は、たびたびこの言葉を引用されて、「日銀は奴雁たるべし」と身近な職員に説かれた。総裁は日銀マンとしての強い使命感をこの言葉に託したのであった。「前川さんの背筋をしゃきっと伸ばした姿勢は、奴雁そのもの」であった(三重野康元日銀総裁)。」