詩人のまど・みちおさんが亡くなられました。
104歳。老衰とのこと。
まどさんの代表作は、
童謡「ぞうさん」、「やぎさん ゆうびん」。
誰もが口ずさめる曲ですね。
やさしい言葉で幼い子どものこころに
すっと入ってきます。
個人的に好きな作品は、
「ふしぎなポケット」。
ご存じですか?
ポケットの中のビスケットをたたくと増えていく。
そんな内容です。
子どもの時には、すでに歌われているようなことはない
とは理屈ではわかっていましたが、でももしかしたら……
なんて思わせてくれたものです。
まもなく4月、新学年、新学期ですね。
この3月あたりになると思い出されるのが、
「一ねんせいになったら」。
友達が百人できるかなと、問いかけ、
できたら、富士山の上でおにぎりを食べたい。
一緒に日本中を回りたい、笑って世界中を
ふるわせたいと希望が述べられます。
スケールの大きな歌ですね。
年をとって、この歌を口ずさんでみると、
「友達、百人はできなかったなー」なんて、
ちょっと後悔というか無念の思いもわいてきて、
胸がチクリと痛みます。
小・中学校のころ、合唱部に入っていたので、
ほかにも「おにぎりころりん」「ドロップスのうた」
「あわてんぼうの歌」などはよく歌いましたね。
後で知ったことですが、まどさんは、
絵も描かれていました。
ふるさと、山口県周南市に残されているようです。
《まど・みちお100の世界》
http://www.mado-michio.com/また、近年、印象的だったのは、
2010年のお正月に放送されたNHKスペシャル。
NHKスペシャル、2010年1月3日放送。
《ふしぎがり~まど・みちお 百歳の詩~》
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2010/0103/奥さんは認知症にかかり、
それを思いご自身は、
うつ病になられたとのこと。
(のちにご自身もアルツハイマー病で
あることを明かされています)
しかし、笑顔を絶やさず、
自身の老い、いのち、そして自然などについて、
詩作を続けている姿が描かれていました。
100歳になったとき、
「なんか新しいことができるんじゃないかと、いつも必ずそれを思っています」
と語った言葉も心に響きました。
実際、100歳のお誕生日の月には、2冊の詩集も出され、
その後も絵も描き続けられていたんですね。
まどさんの残した作品はこれからも
幼いこどもたちの心に深くしみこみ、
大きな糧となるのではないでしょうか。
百歳日記 (生活人新書 332)