もう10年近く前になりますが、
毎月通っていたのが長野県のある村。
そこでお世話になったのが、
猟師もしている農家のご夫婦。
代々の専業農家で、米作り、
そして野菜作りで生計を立てています。
今から何年か前に、
奥さんが亡くなり、ご主人が、
息子さんの力を借りながら、
農業を続けていらっしゃいました。
先日、連絡をとったら、
「田んぼは、去年が最後。
残念だけど、もう今年はやらない」。
実際、お元気だったので、
気にしていなかったのですが、
ご主人は、もう90代。
今でも米は機械、息子さんなどの力を
借りれば作れなくはないが、自分が
満足のできる米が作れないので、
もう止めることにしたそうです。
しかし田んぼをそのままにしておくのは
もったいないので、村の中でそうした田んぼを
集めて集中して耕作している人(農業法人?)に
貸し出すそうです。
この長野の知人に限らず、全国各地の高齢農家の知合い。
何年か前から一軒二軒と次第に耕作をやめています。
お子さんがいらしても、跡を継がない場合もあり、
そうした場合は、上に記したように、農業法人、
新たに就農した若者グループが、農業をすることが
多いようです。
「死ぬまで米は作りたいな」とかつては話していたご主人。
今は、家の周囲の畑で野菜、ハーブなどを育てていて、
農業を完全に辞めた訳ではないのですけれど、すこし
寂しそうでした。
コロナ禍が収まったら、村に出かけ、
長年のご苦労をねぎらいたいですね。