2021年4月25日、東京新聞のコラム筆洗の
出だしは、作家の向田邦子のエッセイ「眠る盃」。
《子どものときの思い違いの話である。
〈春高楼の花の宴 めぐる盃かげさして〉。
「荒城の月」の「めぐる盃」を「眠る盃」
と間違って覚えていたそうだ。》
こうした歌詞を間違えていた例として、
よくあがるのは、「故郷」の、
「兎(うさぎ)追いしかの山
小鮒(こぶな)釣りし かの川」の前半を
「うさぎ 美味し」と思っていたというもの。
あなたはいかがですか。
歌詞に限らず、思い違い、
記憶違いというのは、
よくあるものです。
以前(10年ほど前)にも、ちょっとずつ微妙に
間違える人という私の周囲にいる人(取引先)
の実例について、別のブログで記しました。
《トクダス》
《
カタカナ語を少しずつ間違う人。》
こうした人、意外に多いようですね。
つい先日も知人がそうだと確信する出来事が。
「この前、久しぶりにあった友達が、
『戦場のピアニスト』を見て、とても感激したって。
私も随分前に見たけど、良かったねー。
あの曲というか、雰囲気はイタリアだねー」
うん?
「戦場のピアニスト」は、イタリアじゃなくて、
ポーランドのワルシャワが舞台のはず。
「ドイツ、ポーランド、ソ連は出てきても、
イタリアは出てこないよなー」と思って、
「どんな映画だった」と聞いたら。
「主人公がずっと船の中というか、
海の上で暮らしたピアニスト……」と。
「それって、『海の上のピアニスト』じゃない」。
「あれ。そうだよね。船だから戦場じゃなく海の上だねー」。
海の上のピアニストは、2020年、
再公開もされ、Blu-rayも出ました。
4Kデジタル修復版、イタリア完全版
https://synca.jp/uminoue/「監督はジュゼッペ・トルナーレだったよね」。
「トルナーレじゃなくて、トルナトーレ」
「やだー。私、いつも行っている
スーパーがトルナーレだから……」。
トルナーレ日本橋浜町
http://www.tornare.tokyo/ピーコックストア、トルナーレ日本橋浜町店
https://aeonmarket.co.jp/peacock_shop_detail.php?name=tornare_nihonbashi「去年、音楽を担当したエンニオ・モリコーネが亡くなった時、
『ニュー・シネマ・パラダイス』とこの『海の上のピアニスト』が
ニュースで紹介されてたよね。その時も家族に言われたのは、
『モリコーネ』じゃなくて、『モウリコーネ』って言っていると
指摘されたのよねー」。
「そういえば、あなた、この前、ジャーナリストの
『モーリー・ロバートソン』のことを、
『毛利(モウリ)・ロバートソン』って言っていたよね」。
「いやー、なんだか、こんがらがるのよね」。
いやはや、自分も人のことをあげつらえないのですけれど、
知人は最初に名前、名称を覚えるときに、適当に覚えてしまい、
それがこれまでの類似の名前、名称と混じってしまうようです。
いや、新年度、新たな取引先、担当者と
知り合うことが多い季節。
自分も気をつけないとなー。