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旧海軍兵学校の五省とは? 「至誠に悖(もと)るなかりしか」 

学生時代で忘れられない先生は何人もいますが、
その中でも強烈な印象を残しているお一人が、
高校の生物の先生です。

その先生が常々、語っていたのが
旧海軍兵学校の「五省(ごせい)」。

以前、このブログでもご紹介したことがあります。

2014年4月18日、讀賣新聞夕刊の
《言葉のアルバム》に掲載されていました。

前文化庁長官の近藤誠一さんの言葉として。

近藤さんの父上は旧海軍出身。近藤さんが外務省に入省して1年後、
英国留学の支度をしていると、
目の前で便せんにペンで書いてくれたのが、
この「五省」だったとか。

今でも大切にしていらっしゃるそうです。

「至誠に悖(もと)る勿(な)かりしか (真心に反することはなかったか)
言行に恥づる勿かりしか (言葉と行いに恥ずかしいところはなかったか)
気力に缺(か)くる勿かりしか (気力が欠けてはいなかったか)
努力に憾(うら)み勿かりしか (努力不足ではなかったか)
無精に亘(わた)る勿かりしか (無精になってはいなかったか)」

最初の文句の中に、
ご自身の名前の一文字「誠」が入っている
こともああって、頭に残ったとのこと。

外務省で各地に赴任していたとき、
行く先々でデスクマットに便せんをはさんでいたそうです。

近藤さんの最近の大きな仕事である富士山の
世界遺産登録の前に、95歳となり、施設で療養中の
お父様を訪問。

その際、富士山の登録が有力だと伝えると、
握手を求めてこられたとのこと。

《沼津育ちの父にとって、富士山は特別な存在だった。
翌日、父は他界した》

すぐに最終交渉に向かわれたのですが、
成田空港で記者団を前にし、
「誠心誠意、最後まで諦めずに伝える」と語った折、
この「至誠」が頭に浮かんだそうです。

この近藤さんの、富士山を思う誠、日本人の思いが
伝わり、世界遺産への登録が実現したのですね。

この五省については、旧海軍の人々の間でも
批判はあったようですが、現在の海上自衛隊にも
この精神は受け継がれているようです。

高校の頃は、この五省については、
反発心だけが強かったのですけれど、
今になって、この5つは、一般の人の行動指針としても
非常に有用であるなと思います。

わが生活をたまにはこの五省で振り返らねば。

江田島海軍兵学校は、
現在、海上自衛隊の第1術科学校となっています。
(一般見学可)
http://www.mod.go.jp/msdf/onemss/index.html

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《トクダス》
委員会に遅刻した原口大臣、直前までツイッターに書き込みって本当なの? 時間泥棒。5分前。海軍精神。



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