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「55歳からのハローライフ」。村上龍。

作家・村上龍さんが先日、テレビ朝日「ワイド!スクランブル」内、
「山本晋也監督の人間一滴」という
インタビューコーナーに出演していました。
http://www.tv-asahi.co.jp/scramble/corner.html

内容は、12月5日、村上氏が出版した

55歳からのハローライフ》(Amazon)

についてでした。

12月5日に出版された新刊です。
地方新聞に連載していた小説をまとめたもの。
いずれも55歳前後の人々が主人公となった
5つの短編からなっています。

「結婚相談所」
「空を飛ぶ夢をもう一度」
「キャンピングカー」
「ペットロス」
「トラベルヘルパー」

本の内容紹介には、それぞれの短編の中の
象徴的なフレーズが抜き出されています。

《人生でもっとも恐ろしいのは、後悔とともに生きることだ。「結婚相談所」
生きてさえいれば、またいつか、空を飛ぶ夢を見られるかも知れない。「空を飛ぶ夢をもう一度」
お前には、会社時代の力関係が染みついてるんだよ。「キャンピングカー」
夫婦だからだ。何十年いっしょに暮らしてると思ってるんだ。「ペットロス」
人を、運ぶ。人を、助けながら、運ぶ。何度も、何度も、そう繰り返した。「トラベルヘルパー」》

《作家の言葉》として、
この作品は、《55歳からの生き方とサバイバルを考えるためのもの》と言い、
《さまざまな階層の「再出発」を描く》と。
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/images/hellolife/hallo1.html

山本監督は、この5編の中で、「ペットロス」が一番、身近に感じたと。
タイトル通り、ペットを失う夫婦の物語です。
村上氏は、それが監督がペット好きだからだろうと答えていました。

最後の「トラベルヘルパー」は、
実際にある会社で行なっているサービス。

村上龍氏が聞き手をつとめるテレビ東京「カンブリア宮殿」に、
社長が出演していますが、そこが行なっている障害者・高齢者の
旅行を手助けするサービスです。
https://www.aelclub.com/
《【ニュース】村上龍著「55歳からのハローライフ」トラベルヘルパー登場!》
https://www.aelclub.com/%E3%80%90%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%80%91%E6%9D%91%E4%B8%8A%E9%BE%8D%E8%91%97%E3%80%8C55%E6%AD%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%80%8D/

どの短編に思い入れをもつかは、年齢、性別、
置かれた立場などによって違うかと思います。

リストラされ再就職もままならず、健康も損ねて、
ホームレスに墜ちてしまうのではないか
との恐怖心をもつ男性を描いた「空を飛ぶ夢をもう一度」に
一番の思い入れを持って読みました。

以前、別のエントリーで書いたこともあるのですが、
炭酸水が大好き。(スパークリングウォーター)
この主人公は、炭酸水で精神の安定を保っているんですね。

もう一つは、定年後に夫婦で日本全国をキャンピングカーで回ろうと
考えていたものの、妻に拒否された男の話「キャンピングカー」。
こちらの主人公は、コーヒーが大好き。
自分もコーヒーには思い入れをもっているので、
なんだか、人ごとと思えなくて。

こうしたディテールの描き方が説得力を増しています。

インタビューで、中高年への一言を求められた
村上氏が発した言葉は、「死ぬな」という言葉でした。

「空を飛ぶ夢をもう一度」の紹介に、
《生きてさえいれば、またいつか、空を飛ぶ夢を見られるかも知れない》
とあり、またこの本の内容紹介で、
《希望は、国ではなく、あなた自身の中で、芽吹きを待っている》
と書いています。

将来への不安があり、厳しい現実がある。
しかし、そこから逃げず、生き抜いて欲しい。
作者の強い思いを受け止めました。

○定年後の人生は、2対6対2で、
 悠々自適層:中間層:困窮層に分かれる。
 「定年後をどう生きるか」などと考えられるのは、
 「悠々自適層」。

○国家に頼るのではなく、
 サバイバルの戦略と方法は個人にゆだねられている。
 希望は,自ら手に入れなければならない。

55歳からのハローライフ》(Amazon)



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