SSブログ

生まれ育った場所と人格の関係。盆地育ちは負けじ魂が強い。

ドイツ文学者で「怖い絵」などの作品でも知られる
中野京子さんが、日本経済新聞夕刊の「こころの玉手箱」に
登場しています。

2023年4月11日は、2回目で《父の写真と重なるオランダ風景画
低地育ち 雲を見るのが好き》と見出しがついています。

生まれ育った場所と意図の人格形成について書かれています。

中野さんは、
平坦な海辺野町に生まれたそう。

樹木がうっそうと茂る山が怖いとのこと。

《どんな土地に生まれ育つかは、人格形成に
ある程度影響するだろう》とかかれ、
その後、《山に囲まれて育てば、いつかそこを
乗り越えたいとの負けじ魂が身につくと聞いた》
と。

その後、興味深い数学者の故郷の話があるのですが、
ここでは触れません。

オランダの風景画とお父様が撮影した写真の類似性。
オランダの風景画は空が多くを占める。
《低地で生まれ育てば、雲を見るのが好きになる》と
文章をしめくくっています。

とても興味深い内容だったのですが、個人的に
一番ひかれたのは、盆地に生まれ育った人の下り。

「あの山の向こうに何があるか。いつかあの山の
向こうに行ってみたい」

この話。
盆地育ちの方、何人もから聞きました。

山口県の津和野。
森鴎外の故郷である、歴史ある小さな美しい町です。
この地は山に囲まれた盆地。

画家安野光雅さんが生まれ育った場所でもあります。

お話を伺ったことがるのですけれど、
やはり小さい頃から、山の向こう側に
いきたい、見たいと思っていたそう。

さらに山の向こうにある大きな世界。
山を越えていけば、自分もそこで
活躍できるのではないか……。

そんなことを思っていらしたとか。

長野の南側。盆地(長野では平という)で
知り合った方も、やはり、盆地から出て、
山の向こう側の風景を見たいと話してくれました。

実際、若い頃は、それで首都圏で暮らしたそう。

高知県の山間部出身の女性作家。

この方も、山を越えてさらに向こうに
いきたいという願望があったと言います。

そして同じ高知でも海沿いに育った人は、
山より海を意識。
広大な太平洋から押し寄せる波。
その海のはるか先のアメリカを意識していると。。

坂本龍馬は、その典型なんでしょうね。

そうそう大学時代に知り合った
京都の中心部出身の男性。

京都は盆地。
しかし盆地といっても平野部が比較的広いこと、
さらに長年の都があったということで、外に
出るとの発想はなかったと話していました。
(その言葉に反し東京の大学に来ていたのですが)

逆に都に憧れ、多くの人が来た。
なので、そうした人たちの文化、新しいものを
受け入れる素地はあると。

確かにパン、電車など日本で京都が初めて
取り入れたものは多いですね。

日本では無く、海外(ヨーロッパ)の
盆地出身の作家が書いた作品に、
盆地育ちの気質、性格について触れたものが
あった気がするが、思い出せないなー。

この盆地育ちの気質というのは、
全世界共通なんでしょうか。

〇山梨出身の知人が何人か。
 甲府市出身の人は、
 一山越えたら東京。東京は新宿という意識がある。
 富士山は、山の向こうにちょっとだけ見えるので、
 意識に占める割合は小さい。
 富士吉田出身の人。富士山の北麓。
 富士山が圧倒的すぎて、逆にいやになる。
 富士山がない世界に逃れたいという意識もある。

〇そういえば、古都奈良も盆地だなー。

〇山梨出身の林真理子さんとマキタスポーツの対談
 《林真理子×マキタスポーツ 「山梨」発「野心」経由のふたり【前編】》
  2017.01.09
 その中の林さんの言葉。
  《そもそも、山梨県人って、こちらが貧しくても
  山の向こうには華やかな東京があると思っているから、
 独特の上昇志向はあると思いますよ。》
 なるほど負けじ魂とも言えますね。
https://books.bunshun.jp/articles/-/2808?page=2

上に書いたように同じ県の中でも気質は異なる。
江戸時代の藩や、川筋、河川の水系で分けると
考える人もいる。

人間まるわかり 県民性の法則 (小学館文庫)





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。