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銀杏の思い出。鱧(はも)と松茸の土瓶蒸し。出会いもの。

先日、2週間ぶりに訪れた会社近くの居酒屋では、
煎り新銀杏が出ていました。

塩がまぶされたあつあつの殻を割ると、
中から翡翠色の実が。
後ろめたさを感じながらも、
たまらず、何個も一度に食べてしましました。

「後ろめたさ」というのは、小さい頃に、
祖母、両親に言われた事が頭に残っているからです。「銀杏は精が付きすぎて、きついから一度に食べるのは1個まで」

あなたは、言われませんでしたか?

小学生にあがるまでは、決して食べさせてもらえず、
小学生になってからも、食べられるのは、
茶碗蒸しに入っている1個だけでした。
一度に複数個など、とんでもないという感じでしたね。

親はほうろくで煎った銀杏を、いくつも食べていたので、
それがうらやましくてしょうがありませんでした。

そして、新銀杏の頃の思い出の料理といえば、
「鱧(はも)と松茸の土瓶蒸し」。

そこにも銀杏がはいっていました。

「鱧(はも)」は、梅雨から夏にかけて、
蒲焼き、梅肉和えなどを、大人は食べていましたが、
本当は、松茸の出る秋が一番美味しいのだとか。

小学生の頃は、すでに国産の松茸は高価で、
庶民にはとても手がでないものになっていたのですが、
季節に一度は食卓に並んでいた覚えがあります。

そこで覚えた言葉が「出会いもの」。

旬の季節が同じで、とり合わせて料理にすると、
非常に相性がいい食材のことです。

春だと、タケノコと若布(わかめ)。
料理は若竹煮が典型ですね。

そして秋は、鱧と松茸なんですね。

こちらの料理も、銀杏同様、
大人しか食べられない料理で、欲しがっても、
「大人になってから……」と、
食べさせてもらえませんでした。

ですので、余計、憧れがつのったものです。
そして残念ながら、大人になっても、
家では食べたことがないのですけれど……。

和食が、世界文化遺産に選ばれる予定というニュースがありました。
和食は世界各地で人気のようです。
けれど一方で日本の家庭料理は、
どんどん崩壊しつつあるという指摘も。

四季があり、時季の食材に恵まれた日本。
けれど、それが今、失われようとしています。

「鱧と松茸の土瓶蒸し」は、ちょっと難しそうですが、
祖母から教わった銀杏の封筒煎りで、秋を味わってみましょうか。



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