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「悪魔の言語」日本語を究める。

2011年9月20日の朝日新聞夕刊に、国立研究所主催の
「日本語文学・表記の難しさとおもしろさ」を
テーマにした討論会の記事が出ていました。

漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字と
4種類の文字を

使い分ける日本語は、世界の言語史上で
最も複雑な文字体系なのだそう。

その記事中、特に興味深かったのは、
ドイツ人で日本語教育が専門の、
國學院大學教授である
シュテファン・カイザーさんの意見。

カイザー教授は、外国人は、
《「この字は覚えたけど」症候群に陥りやすい》
と指摘し、具体例として、「日」という漢字の
読み方をあげています。

《その日・3日、土曜日・1日・一日中・昨日・昨日・日本》。

記事中の上の「日」の読み方には、
ルビが添えられていますが、
あなたは、お読みになれますよね。
(そのひ、みっか、どようび、ついたち、
いちにちじゅう、きのう、さくじつ、にほん)

カイザー教授はさらに続けます。

《一つの読み方を覚えても次に応用できず、
意欲をそがれてしまう、地名・人名漢字の
複雑さにいたっては犯罪に近い」》と。

そのため教授は、ルビの多用に賛意を表明しています。

この漢字の読みを含む、日本語の難しさについては、
日本語を習う知り合い、友達のイタリア人によく言われます。

「日本語は悪魔の言葉だ」と。

こちらは、「イタリア語こそ、悪魔の言葉。現在形で
人称により活用が違うのはいいとして、それが近過去、
遠過去、未来形なんかにわかれ、さらには接続法、
条件法も。規則活用だけじゃなく、不規則活用は山のよう」
と言い返すのですけれど。

イタリア人は、日本語には上の4種類の
文字があること、さらに無数にある漢字、
中でも読み方の多さについて、悪魔的と言うのです。

同じ「日」という漢字なのに、
なぜそんなにたくさんの読み方があるのか?

そこに規則性はあるのか……と。

上の読み方に付け加えれば、
「日本」には、ニッポン
という読み方がありますね。
(日光で「にっこう」も同じ)

四股名ですが、日馬富士は
「はるまふじ」で「はる」。

本当に「日」の読み方はたくさんあります。

さて、ここまで書いてきて、何が言いたいのか?

習うのに苦労し、悪魔しか習得できない
と外国人に言われるくらい難しい日本語を、
しゃべれる日本人は、日本語を大切にして欲しい
ということです。

携帯電話と、ケータイではニュアンスが違うように、
文字だけでも細かい意思、語感を表現できる日本語。

自然に身につけてしまっただけに、
日本人は、かえってその見事さ、大切さに
気がついていないのかもしれません。

日本語には、雅な趣のある言葉、
表現がたくさんあります。

亡くなるまで、「悪魔の言葉」日本語を
究めつづけたいですね。







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