「没縦跡 （もっしょうせき）」。自分の跡を消す。道元禅師

禅の世界に
「没縦跡 （もっしょうせき）」という言葉が
あるんだそうです。

あなたは、この言葉、聞かれたことはありますか？

人は、とかく自分の生きてきた
過去、功績を残したがります。

自分はどんなことをしてきたのか、
こんなに素晴らしいことをしたと、
例えば、銅像を建て、本を書かせ、誇ろうとする。

そうした名誉を求めるのではなく、
ただただ今を生き、自分を誇示しない。

過去にとらわれず、足跡を残さない生き方。

それが「没蹤跡」（もっしょうせき）であると。

自分がこんな人である、
こんなことをしたと残すことは、
「私」を縛ることにもつながる。

自信を持ち、今に没頭すれば、
他人の評価などを気にせず、
何一つひけらかす必要もなく、
沈黙のうちに、自足した生活を送ることができる。

こうした境地にはなかなか到達できそうもありませんが、
この言葉とその生き方があることを、胸に刻んでおこうと思います。