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父がもう一度食べたかった幻のキノコそば。「ロコだけが知っている」。金時山のキノコ汁。

2022年4月20日、夜、夕飯時に、テレビをつけたら、
NHKで「ロコだけが知っている」という番組を
放送していました。
「知る人ぞ知る!ご当地温泉スペシャル」です。
https://www.nhk.jp/p/locodake/ts/8RXJGJKLZZ/

見た時は、箱根の情報が紹介されていました。
利用するのはほとんど地元民という共同湯は
以前に、通ったことがあったので、
懐かしかったですね。(きれいに改装されていた)

そして出てきたのが、金時山の
頂上にある茶屋の名物きのこ汁。
(「金時娘」の小宮山さんは出てこなかった)

それを見て思い出したのが、
父がずっと語り続けていた
富士山山麓で食べたというキノコそばです。

今から半世紀ほど前、父は一人旅をして、
富士山山麓にたどりついた。
夕方近くだったそうですが、
動き回ったので、お腹がすいていた。

そうしたら、小さな蕎麦店があったそう。
中に入ったら、おばあさんが一人。

「キノコそば」というメニューが
目に入ったので、それを頼んだとのこと。

そうしたら、おばあさんは、「ちょっと待ってね」と
言い残し、店の奥に引っ込み、どうやらさらに厨房から、
店の裏に出て行った様子。

しばらく待っていたのですが、いつまでも注文した品は
出てこないし、そもそもおばあさんが帰ってこない。

お腹はすいていたものの、疲れていたので、
いつの間にか眠ってしまったと言います。

いい匂いがしたので、目を覚ましたら
ちょうどそのおばあさんが、
店の奥から出てきて、キノコこそばを
運んできたとのこと。

待ちかねた一品。

あっという間にたいらげたのですが、
これが、今まで味わったことがないほど、
きのこの味と香りが豊かなものだったそう。

まさに夢心地でいただいた一杯。
大変満足して、店を後にしたといいます。

以来、ことある毎に東京の日本橋はもちろん、
静岡、山梨、長野などなど、日本各地に
出張や旅行に行くたびに、
キノコそばがあれば試してみたのですが、
そのおばあさんのものを上回るものはないと。

その店の場所、店の名前はうろ覚え。
再訪しようにも、手がかりなし。

「もう一度食べたい」という願いは
かないませんでした。

まあ考えれば、一日歩き回って空腹だったこと。
そして出すまでに結構時間がかかって、
待たされたこと。
空腹とおあずけ、さらにそこから流れた時間が、
キノコそばの味を何倍にも増幅させているの
かもしれません。

この話は自分が小さな頃から、
何度も聞かされた話ですが、
なんだか、映画、テレビドラマのように
頭の中に映像が再現されています。

今夜の番組を見て、父が食べたかった
幻のキノコ蕎麦を探しに行きたくなりました。

(考えてみれば、今から50年ほど前におばあさんだったのだから、
もうお亡くなりになっているだろう。誰かがあとを継いでいれば
その味を楽しめるが、そうでなければ、その味は本当に幻ですね)

追記、2022年4月22日、
〇蕎麦、キノコなどに詳しい知人によれば、
 静岡県小山町にある《きのこ料理「山小屋」》が、
 まさにきのこ料理の名店としてしられているそうです。
http://kanko-oyama.jp/shopping/2027/
〇東富士山荘 小山町





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