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陸前高田のトイレの神様。「柱ではなく土台になりなさい」。

2011年4月26日の朝日新聞に
陸前髙田のトイレの神様の話が掲載されていました。

陸前高田の避難所にトイレの神様がいるというのです。

避難所となっているのは、高台で難を免れた月山神社。
そこで68人の人達が生活しているそう。

水道、電気に不自由している中、
トイレ掃除を1人で引き受けている女神様がいるのです。

村上キクエさん。

当初、当番を決めてトイレの掃除をしよう
という話も出たのですが、村上さんが、
「当番では責任がなくなる。トイレ掃除は私がやります」
と申し出ました。

なんでキクエさんが1人でトイレ掃除をしているのか?

「うちは家族そろって無事で時間があるし」。

キクエさんのご家族は皆さん、無事だったのですね。

自分はこの記事を読んで、次の言葉にはっと心を打たれました。

「柱ではなく土台になりなさいって、教わったの」。

幼なじみの三嶋ひとみさんのキクエさんを
評価する言葉にも、心を動かされました。

「キクちゃんは目立つのが嫌い。昔から人が見ていないところで頑張る」。

小さい時に良く言われたなー。

誰も見ていなくても、神様が見ている。
人に知られなくても、人がいやがる、
人のためになることをしなさい。

また「陰徳」という言葉も教わりました。

皆さんは、ご存じですか?

陰徳は「いんとく」で、「ひそかになされたよい行い」を言います。

「陰徳あれば陽報あり」。

耳にこびりついています。

人に知られずに善行を積めば、必ずよい報いがあるということ。

この話を読んだ時、釈迦の弟子の一人
周利槃特(しゅりはんどく)を思い出しました。

皆さんは、「天才バカボン」で「おでかけですか?」といって、
箒を持ち、路上を掃いているキャラクターをご存じではありませんか?
そのモデルとも言われているのが、「しゅりはんどく」。

兄は、聡明なことで知られる摩訶槃特(まはーばんたか)。

ところが、弟の「しゅりはんどく」は、自分の名前も覚えられず、
釈迦から教わった教えも、3歩いけば、忘れてしまうというというほど、
物覚えが悪いのです。
そんな姿を見た兄は、修行をやめ郷里に帰ることを勧めます。

祇園精舎の外で故郷に帰ろうかと一人、泣いていた「周利槃特」。
そこに釈迦がやってきて、泣いている訳を尋ねます。
周利槃特は、自分は愚かでとても弟子などになりませんと答えます。

釈迦は、
自分が愚かであることを知るものこそ、真に智慧がある者。
自分の愚かさに気付かず、逆に賢いと思うこのこそ愚者。
周利槃特は、自分が愚かであることを知っているではないか
とさとすのです。

そして一本の箒を渡し、毎日、
「塵を払い、垢を拭わん」と唱えながら、
掃除をすることを勧めます。

周利槃特は以来、釈迦の教えを守り、
毎日、掃除を続けたのでした。

続けているうちに、
「塵」とは「垢」とは何かという疑問が起きます。

周利槃特は、愚直に掃除し続け、何十年も考え抜きます。

そしてついにそれが、、
貪欲(むさぼり)・瞋恚(しんい=いかり)・愚痴(=おろかさ)
の三毒であることに気付きます。

だれの心の中にもこの三毒がある。
それこそまさに釈迦の教えである
と目覚めた周利槃特は、
こうして悟りを得たのでした。

柱にならず、土台になれとの教えも守り、
村上キクエさんが行っていらっしゃることは、
まさに菩薩行ですね。







○袈裟、糞掃衣(ふんぞうえ)


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