SSブログ

「妙手多子無(みょうしゅたしなし)」。俳優・黒沢年雄さんの「この道」。酒井雄哉大阿闍梨。

現在、東京新聞夕刊に、俳優の黒沢年雄さんの
「この道」が連載されています。

黒沢さんのブログ、2020年2月02日
《僕の人生》
https://ameblo.jp/kurosawa-toshio/entry-12572131614.html

2020年4月10日、56回目、《大阿闍梨》。

大阿闍梨は「だいあじゃり」と読み、
ここでは、千日回峰行を二度なしとげた
酒井雄哉(ゆうさい)大阿闍梨のこと。

この酒井さんは僧侶としては遅咲きの方。
特攻隊員で終戦を迎えた後、様々な職業を転々と。
結婚もされたのですが、奥様を自死で失うという
経験もされています。
そうした体験もあり39歳から仏門に入り、
54歳の時に最初の千日回峰行を満行。
半年後、二度目の行を始め、60歳で
再び満行を迎えられた方です。

長い天台宗の歴史のなかで、
二度の満行者は3人とされています。

黒沢さんは何度目かの手術の前に
知人を通じ、酒井大阿闍梨に会われたそう。
《修行の話を聞くうちに、酒井さんは「人間なんて
立派なものになれない。変わろうとしても、
人間なんてそんなに変わらない」とおっしゃった。
二千日修行しても、にんげんはそんなに変わらない
とおっしゃるのだ。そして「そのままの自分でいいんだ」
とも。そうして「妙手多子無」と書いた書をいただいた。
人生に妙手はない。無心に目の前の物事に取り組んでいく
ことだという意味だ》。

黒沢さんが書かれているように、本、
そしてNHKの特集番組を見て、
酒井さんのことを知りました。

酒井さんについては、このブログで書いたことも。
直接、お会いしたことはないのですが、
本、テレビでの言動を読み見る限りでは、
全く飾ることがない、偉そうにしないお人柄と
お見受けしました。

深いことをやさしく、おっしゃっています。

酒井さんの言葉で、
心に刻まれているものは
いくつかあります。

その中の二つが、
このエッセイにあった
「人は簡単には変わらない」、
「妙手多子無」。

「人は簡単には変わらない」は、
母方の祖母もよく言っていたことです。

人というのは、大金を失うような体験はもちろん、
命を失うようなひどい体験をしても、その性根は
変わらないと。
いい性根はもちろんですが、
自分のだめな性根というものも、
一生自分の中に抱えて生きていくしかないとも。

そして「妙手多子無(みょうしゅたしなし)」。
意味は黒沢さんが書かれた通り。
禅の世界でもよく使われます。(禅語)

一気に人生を買えてくれるような妙手はない。
与えられたその場で目の前のことに、
一つ一つ立ち向かっていくしかないのだと。

以前に出会っていた言葉ですが、
日々の生活に追われ、忘れていました。
黒沢さんの文章で再会することが出来、
嬉しいですね。





《人生やり残しリスト》
3500勝、騎手の武豊氏の座右の銘は「八風不動」。
高倉健さんが、生涯、財布の中に入れていたもの。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。