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№8 自分の体の中にいる妹にもう一度会う。

皆さんは、「ミッシング・ツイン」という言葉をご存じでしょうか?

missing twinで失われた双子(のうちの一人)。

母親の胎内では、双子で二人いたのですが、
出産に至るまでに、吸収されてしまった胎児を
指す言葉のようです。

自分が大きくなってから知ったのですが、父と母は、
結婚してから長らく子どもができませんでした。
そのため当時、最先端と言われた不妊治療を受けたそうです。

何度目かの治療で、妊娠。
そして未熟児ながら、健康な男の子を授かったのでした。
それが私です。
それから後、自然妊娠で3つ下の弟も生まれます。

おそらく弟が出来る前ころからだと思いますが、
一人でいるときもなぜか、誰かそばに
いるように思えてならなかったのです。
そしてついにその姿が見えるようになりました。

自分と同じくらいの背格好の女の子。
顔はよく似ているのですが、
もちろん自分ではありません。

にこにことして、気がつくと自分の周りにいるのでした。
何か言葉を発する訳ではなく、ただそこにいる。
自分は、その存在をしっかり意識しているのですが、
自分以外の他の人には、見えたり、感じたりしないようなのです。
(両親は、見えないものを見ると言う我が子=自分に、
何かおかしい点があるのではないかと心配し、
医師に相談したようですが、異常はなかったようです)

弟が大きくなり、二人で遊ぶようになると、
次第にその女の子は消えていったのでした。

自分は、勝手にその女の子を「妹」と思っていたのですが…。

その存在は、忘れたようでいて、
ずっと頭の奥深くに眠っていました。

中学の時だったか、学校の図書館で、
本か新聞・雑誌か何かを読んで、
「ミッシングツイン」の事を知ったのです。

そして確信したのです、
あの女の子は、ミッシングツインだったのではないかと。
自分は双子で、胎内で「妹」が自分に同化して
消えていったのではないか?
そう思うようになったのでした。

両親は、否定も肯定もしませんが、
「ミッシング・ツイン」の話には驚いたようでした。
(ミッシング・ツインは、一卵性双生児、つまり同性である場合が多いそう)

もしかして生まれていたかも知れない妹
(姉かもしれないが)のことを、
最近、ふと思い出すことがあります。

小さい時、妹がそこにいてくれて、二人と思うと、
気持ちが安らかになり、安心できました。

今では見えることもなく、過去の記憶をひっぱりだすだけですが、
できることなら、もう一度、彼女を見て、感じてみたい。

そして、もし彼女が生まれていたら、どんな人生を送っていただろうか
と考えることもあります。

その存在の意味を、専門家に尋ねてみたい気もします。

手塚治虫さんの作品「ブラックジャック」。
ブラックジャックと一緒にいつもいるピノコは、
姉の体の中にいた「畸形嚢腫」。

ブラックジャックが取り出して、一人の女性にしたのでした。

ブラック・ジャック(1) (手塚治虫文庫全集 BT 58)》(アマゾン)

王貞治さんは、二卵性双子。
王さんは、未熟児で虚弱で、
2歳まで立つこともできなかったそう。

お姉さんは丈夫だったのですが、
1歳3ヶ月の時に、はしかにかかって亡くなられたとか。

それ以来、王さんは、次第に元気になっていったとのこと。
お姉さんが病気を連れて行ってくれた
とご母上は語っていたそうです。

デイリースポーツ、2010年8月17日。
《ソフトバンク王会長の母・登美さん死去》
http://www.daily.co.jp/baseball/2010/08/18/0003330010.shtml

《双子の未熟児だった王会長。一緒に生まれた姉・広子さんが
1歳3か月で亡くなり「姉は貞治の体の悪いところを持っていってくれたから、
お姉ちゃんに感謝しなさい」と登美さんは言ってきかせたという。》


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