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「努力とは紙を重ねていくようなもの」。帝国ホテル元総料理長・村上信夫さんの言葉。

フレンチシェフの三国清三さんが、
日本経済新聞夕刊の《あすへの話題》に、
現在、連載をもたれています。

このコラムから、先日は阿木燿子さんの
「転倒」を取り上げたのですけれど、
今回は、2014年6月12日にのった、
三国さんの《温故知新》を。

冒頭、三国さんは、恩師である帝国ホテル元総料理長の
村上信夫さんの言葉をあげています。

「努力とは紙を重ねていくようなもの。
一枚一枚は薄くても、何十年もたてば厚くなる」。

三国さんは独立し、ご自身のお店を持って、
今年で30年目だそう。
経営が大変な時期もあったけれど、
これまでやってこられたと。

文章はそこから、店を長続きさせる秘訣へと続きます。

京都でおよそ400年続く、
「瓢亭」のご主人に、尋ねたのだそう。
(三国さんは先週だかのコラムで、
こちらの名物「瓢亭玉子」を残した話を書かれていました)

ご主人は、維持し続けるものと、時代に応じて
変えていく必要があるもののバランスをとること
と教えてくれたそうです。

三国さんは、そこから「温故知新」
というキーワードが浮かんだと記されています。

10年をサイクルに流行は変化するよう
ととらえている三国さんは、
話題の店やスポットに足を運び、
人気のワケを分析しているとか。
それを店の経営に生かすことも多いようです。

そうして氏は、《肝心なのは戻る先があるかないか》が、
《長く続けられるかどうかのカギではないか》
とご自身の結論を書いて、
《年齢を重ねるごとに「温故」の割合を増や》せば、
《戻る先もできる》と。

この「温故知新」は、村上さんの
座右の銘であったことを明かして、
文章を締めています。

コラムの頭に書かれた、
「努力は紙を積み重ねるようなもの」とは、
自分も年配の方からよく聞いた言葉です。

病気が治るさまを言うときに、
「薄紙一枚一枚はぐように」という表現がありますが、
はぐかわりに、一枚一枚重ねていく。

「紙一重の差」という表現もあります。
ほんのわずかな差のこと。

一日一枚、紙を重ねることにして、
一日だけだと、それこそ紙一重の差で、
前日と何の変わりは無いように見えます。

けれど、それが二日、三日、一週間、10日、1ヶ月、
そして三ヶ月、1年たつと、目に見える差となってくるのですね。

こうしてコツコツと毎日、努力を重ねると、
あるとき、大きな変化が起きることがあります。

努力を積み重ねて、ある量に達すると、
物事に対する理解、能力に劇的な変化が起こる。
そう量が質に変化することがあるのですね。

そこで一気に別世界にいたることがある。

けれど、それは毎日コツコツと、
量を積み重ねた者にしか訪れないのですね。

三国さんの書かれた文章を読んで、
そんな話を思い出しました。




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