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昔、近所にあった石屋のおじさんの話。「人にも石目がある。それを読むのが肝要」。

お盆の時期。
お墓参りに行かれた方も多いでしょう。

その際には、お墓を
きれいに掃除して、
磨き上げたことでしょう。

墓石を見ると、昔、近所にあった
石屋のおじさんの言葉を思い出します。

小学校からの帰り、
その石屋のおじさんが、
ノミと金槌で石を叩いているのを
見るのがとても好きでした。

今から考えるととても単純な動きなのに、


何がそんなに面白かったのか不思議です。

いつもおじさんは、しゃべらずに一心不乱に
石に向かっていたのですが、仕事の区切りが
つくと、お茶を飲み、一服して休憩。

その時に、そこのおばさんや近所の人と
会話を交わしていました。

あるとき、熱心にみていた自分や同級生に、
話しかけてきました。

「そばから見ると石ってどこも固そうにみえるけど、
固いところと柔らかいところがあってな。その石の目を
見て、割ったり、削ったりしてる」。

「石の目を読んで、そこに正しくノミをあてると、
きれいに割れるが、そうでないところにあてても、
割れないし、割れても汚い」。

そんなことをひとり語りのように話してくれました。

「石屋は石目を見るのが一番大切。
人にもそこを叩くとすっと割れる石目がある。
それを見抜けるかどうかが、大事だなー」。

そんなことを語っていました。

「人にも石目がある」という言葉が印象的でした。

そのおじさんは、それからしばらくして、
自分が小学生の間に亡くなってしまい、
それに伴って、跡継ぎがいなくなった石屋は
廃業してしまいました。

そこのおばさんは、それからもずっと
そこに住んでいて、
自分や近所の小学生が家の前を通ると、
いつも声をかけてくれ、大事にしてくれたのを
思い出します。

石屋のおじさんが言っていた
「人の石目」。

あの時の小学生は、大きくなったのですが、
「人の石目」はまだ読めるようになっていません。

いつになったら、わかるようになるのでしょうか。

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