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荀子の「口耳之学」。耳学問。


《頭の中を「言葉」にしてうまく伝える。》(Amazon)

という本をぱらぱらとめくっていて、
ふと「口耳之学」という言葉の固まりに
目がとまりました。

「こうじのがく」と読み。
聞いたことをそのまま口に出して、
人の耳にいれる。受け売り。
少しも自分の身につかない学問のこと。

出典は、中国の荀子の勧学篇。

君子ではなく、小人(ショウジン)の
学びの様子を言ったものです。






すなわち耳から入ってすぐに口から出てしまう。
口と耳の間は、わずか四寸(およそ10センチメートル)ほど。
それを通過させただけの学問で、どうして七尺の
身体全体を立派にさせることが出来るかと、
そうした勉強を戒めたものです。

ここから「口耳四寸(こうじしすん)」という
表現もあります。

こうした受け売りの知識を、
「耳学問」ということも。

しかし自分は、この耳学問については、
プラスと思っていました。

祖母が、
「耳学問でも知識を入れろ」
と話していたから。

祖母は客商売をしていたので、
様々な人と話しをしたのですが、
そうした中で、世渡りの知恵のみならず、
新しい知識を得ていたよう。

それが浅い、断片的な知識になる恐れも
ありますが、耳から得た知識を頭の中に
巡らせれば、大学、大学院で学ぶよりも
役立つ、立派な知識、知恵になることもあると。

今になって振り返ってみれば、
祖母は、自分の中に一度入れて、
それまでの知識と照らし合わせる
といったことも言っていたので、
それは単なる受け売りでは
なかったのかもしれません。


〇荀子は戦国時代の思想家。
 その記した著書。
 性悪説を唱え、礼を以て秩序を正すべしとする。
 「人間の本性は悪である」ので、学習が必要。
 「荀子」の第一篇は「勧学」で始まっている。

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