SSブログ

薄皮饅頭で知られる柏屋の家訓は「代々初代」。

今から10年ほど前になるでしょうか、
福島県いわき市の取引先に通い始めた頃、
お茶菓子として、よく出してくださった
饅頭がありました。

手頃な大きさでさっぱりした甘さの
あんこが印象的な饅頭。

尋ねてみると、いわき市ではなく、
少し離れた郡山市に本店がある
柏屋が作っている薄皮饅頭でした。

以来、出張に行く度に
お土産に買っています。

柏屋
https://www.usukawa.co.jp/
柏屋のオンラインショップ
https://www.usukawa.com/

その柏屋の五代目主人が番組に出演。
柏屋が紹介されていました。

カンブリア宮殿、2019年4月4日放送。
《福島発!客も真心で包む まんじゅう屋さんの幸せ経営術》
https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2019/0404/

嘉永5年(1852)に初代の本名善兵衛が
薄皮饅頭を考案し、製造を始め、
以来、167年にわたって販売し続けているんですね。

こちらの会社の活動を、
VTRで伝えていたのですが、
立派な会社だなと関心させられたのが、
2点ありました。

一つ目は児童詩集「青い窓」の発行。
https://www.aoimado.jp/

子どもたちに詩を募集し、店頭のウィンドウに掲示したり、
冊子として発行する。(「こどもの夢の青い窓」)
(ラジオ番組も製作し放送している)
これは4代目が始めた事業だそう。(今年で60年)

直接、儲けにはつながらない文化事業ですが、
それを経営が苦しい時も続けているとのこと。

もう一つが「朝茶会」の開催。
毎月1日に、朝に開かれるお茶会で
誰でもが参加できます。

訪れるとお茶と薄皮饅頭2つ、そして
月替わりのお菓子1つが無料で提供されます。
しかも参加者の写真を撮影。翌月に
写った人数分用意して無料で渡しているそうです。

この会は、地域の人たちが語り合う、
また安否を確認する貴重な場となっているよう。

五代目は、この朝茶会を
饅頭という文化を若い人にも知ってもらい、
次の世代へとつなげるためのもの
といった趣旨の話をされていました。

長い目で見れば、商売のためになるかもしれませんが、
それにしてお年間数千万円かかるこの会を、
続けているのもすごいことですね。

そして、個人的に一番、
心に残ったのは、この柏屋の家訓です。

「代々初代」。

それぞれの代の主人が、自分が初代と思い、
初めてことを始めるような気持ちで臨む
という意味です。

昭和61年、福島県をおそった台風10号による
水害で、工場や店が大きな被害を受けました。

この時、父や叔父から五代目を継ぐように
言われたのだとか。

なる前には、いろいろと仕事について、
厳しいことを言われていたのですが、
五代目を継ぎ、社長になって以来、
先代や叔父からは一言も経営に
口を出されなかったとか。

そこで五代目は「代々初代」の気持ちで
不採算事業を整理し、新商品を次々と
生み出していき、家業を復活、再生したようです。

五代目は「創造的破壊」ともおっしゃっていました。
これも「代々初代」「不易流行」に
通じる言葉ですね。

ファミリー企業、代々続く老舗企業の
経営者ではない、多くの人にも、
とても参考になる言葉ではないでしょうか。

柏屋の経営は以下の本でも紹介されています。






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。