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2019年ノーベル化学賞。旭化成の吉野彰・名誉フェローさんらが受賞。

事前の予測でも有力とされた2019年化学賞は、
リチウムイオン電池の開発者3人に与えられました。

その家の一人が、旭化成の吉野彰・名誉フェロー。
(71歳、京都大学工学部出身)

実用化に必要な技術を開発し、これまでにも
国際的な賞を数多くうけています。

実は、この吉野さんのお名前は、
かなり前から存じ上げていました。

というのは、
旭化成に知り合いがいたから。

かなり前ですが、旭化成の方々と
仕事をしたことがあり、
一緒にお酒を飲んだとき、
社内にノーベル賞候補の方がいるとして、
吉野さんの名前をあげられ自慢されたのです。

それ以来、もちろん直接は存じ上げないのですが、
親しみを持っていました。

それにしてもこの話を伺ってから、
実際に受賞するまでは、20年近く
かかっているわけで、ノーベル賞という
評価を受けるのは、それだけ時間がかかる
ものなのかもしれませんね。

その吉野さんの他に化学賞を受賞したのは、
テキサス大学のジョン・グッドイナフ教授.(なんと97歳)。
そしてニューヨーク州立大学ギンガムトン校の
スタンリー・ウィッティンガム卓越教授。(77歳)

グッドイナフ教授は、イギリスのオックスフォード
大学教授時代に、リチウムイオン電池の正極の開発を
はじめ、コバルト酸リチウムが、優れていると発見。

そのグッドイナフ教授の正極に関する研究をもとに、
正極にコバルト酸リチウムを使い、
(1982年の暮れに研究室の大掃除をしていた時、
グッドイナフ教授らの「正極にコバルト酸リチウムを
使えるが負極の材料がない」との論文をたまたま発見。
吉野さんはこの論文をもとに正極のコバルト酸リチウムを
合成。このときは負極のポリアセチレンと組み合わせた)
さらに負極に炭素素材を採用し、正極と負極の間に
セパレーターを入れるといった構造を考え出し、
リチウムイオン電池の「原型」を作ったのが吉野さんです。
(特許取得)

なおその研究をもとに世界で初めて
リチウムイオン電池を商品化したのがソニー。

今回、受賞は逃されましたが、
西美緒(よしお)・ソニー元上席常務も、
研究者の間では高く評価されています。

こちらの西さんに関しても、
ソニーに勤める友人から、
聞かされています。

今頃、残念がっているだろうなー。

○なお同じく今回受賞を逃したけれど、
 東芝の水島公一さんも有力な候補の一人。
 グッドイナフ教授のもとでで正極の開発に
 従事されています。

こうしてみると、日本の企業にはまだまだ
ノーベル賞級の研究開発をされている方、
いらっしゃるみたいです。

○民間企業の研究者が受賞したのは、
 2002年、島津製作所の田中耕一さん以来。
 (吉野さんは現在、名城大学教授)

○験を担ぎ、例えば、東海道線を使う際は
 絶対に13号車には乗らない。
○毎朝の日課は、NHKのテレビ体操。
○カラオケの十八番は中島みゆきさんの「時代」。
 自分の研究人生に重なる歌詞だから。

○吉野さんが、化学に目覚めたのは、
 小学校4年生の時に先生が薦めてくれた
 マイケル・ファラデーの「ロウソクの科学」。

 この本は、名著として知られていて、
 他のノーベル賞受賞者もあげていた覚えが。
 (2016年のノーベル医学生理学賞受賞の大隅良典・
 東京工業大栄誉教授は12歳違いのお兄さんから贈られ、
 それが自然科学の研究者を志すきっかけになったとの
 エピソードをかたっていらしゃいました)
 
 自分もこの本を薦めてもらったのだが……。

 (自分が覚えているのは角川の方。
 2012年に改訳されています。
 岩波の方は2010年に改訳されて
 読みやすくなっているようです)









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nikitoki

吉野さんは、大阪府吹田市のお生まれ。吹田市立千里第二小学校、吹田市立第一中学校、そして大阪府立北野高等学校、京都大学工学部という学歴です。ご出身の近くにある大阪大学では博士号を取得されています。吹田市には、姉たち一家が現在住んでいますけれど、祝福ムード一杯だそうです。吹田市では初めてのノーベル賞受賞者。大阪府では、川端康成、江崎玲於奈、そして山中伸弥さんに続いて4人目だとのこと。

by nikitoki (2019-10-10 03:44) 

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