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「スカブラ」。炭鉱の中の働かない人。仕事をせずホラ話ばかりしているのに……。

あなたは、「スカブラ」という言葉をご存じでしょうか?

ノルウェーの、
《強風によって雪面が波状になって固まる現象。
ふつう、風の向きと直角にできる。》
という方ではなく、
筑豊炭鉱で使われていた言葉で、
ある種の炭鉱労働者のことだそう。

スカブラは、
仕事をせず、やることとと言えば、
時計を見に行き、時を仲間に告げる、
そしてホラ話、卑猥(ひわい)な話をして、
仲間を笑わせる人のことなんだとか。

地底の奥深く、過酷な状況で働く炭鉱労働者。
そんな中で、ひとかけらの石炭も掘り出さず、
馬鹿話をする人物が認められていたとは。

スカブラは、また「ウサギ坑夫」
とも呼ばれていたのだとか。
兎は後脚が長く前脚が短く、
坂を昇るときは早いけれど、下りは遅い。

そのウサギのようにスカブラは、
坑内に下るときは、一番遅く、
坑内から上に昇るときは一番早いので、
こうした名前がついたのだそう。

面白いですね。

スカブラは無駄の象徴のような存在。
しかし仲間は、必要として公認していたようです。

けれど、炭鉱の経営が厳しくなって、
無駄を排除するという段になり、
合理化のため、経営者は、
働いていない「スカブラ」の首を切ったそう。

働かない非合理な存在のスカブラ。
スカブラがいなくなった炭鉱内は、
けれど志気がおち、効率も下がって
しまったのだとか。

スカブラが認められる社会。
実は大切なことかもしれません。




追記 2023年1月18日
〇このエントリーも定期的にアクセスが集まります。
 今日もアクセスが集中。
 ますます「スカブラ」が必要な時代になっているのかも。



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コメント 3

ska-bra

はじめまして。全くそう思います。
昔、Happy Mondaysというバンドが居ました。そこのBezというメンバーは楽器を弾くわけでもなく、歌うわけでもない。ダンサーといえばそうなんだろうけど、もっとユルいモノで、まともな職業と言い切れるものではないんですが、テキトーさがうけて正式メンバーとして受け入れられてます。
ただのヤクの売人がメンバーに気に入られただけ、というなんともゆる~い話なんですが(笑)
セカセカ、ガチガチしたバンドだったら速攻クビです。というかバンドに入れてくれませんね?w

もっと身近な例だと
たとえばいつもテストでクソみたいな点数を取る子が居るとします。そいつが80点とったら周りは感動します。
でもその一方で優等生が同じ80点取っても皆あたりまえだとし、それどころかそれ以上取れるだろ、と余計なプレッシャーを与えられます。

「間」の部分なんですよ、要は。
四角四面って一見見栄えはいいんですが、「次、はいまた次ね」と、どんどん人はプッシュしたがる性質に有るんでどこかで余裕の部分、いい意味でのムダを作らないと疲弊してしまいます。

ヨユ~♪と言って生きたいものですね。^^
by ska-bra (2011-03-15 16:42) 

nikitoki

2018年8月19日辺りから、このエントリーにアクセスが集まっています。横須賀の「ゆかたdeスカブラ」の影響、それとも東京吉本所属のスカブラ芸人てつみちさんのせい? その理由がわかりません。
by nikitoki (2018-08-21 18:55) 

nikitoki

2018年12月30日、朝日新聞、《非生産的な人間なんていない 寅さん、「スカブラ」結構》
https://www.asahi.com/articles/ASLDT44TKLDTULZU004.html?iref=pc_ss_date
寅さんを原作者の山田洋次監督はスカブラに例えたそう。《「仕事が好かんでブラブラしている」「スカッとしてブラブラしている」が語源。》
by nikitoki (2018-12-31 19:12) 

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