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「ご自由にお使い下さい」。家の前に置いた善意の傘は、返ってくるのか? 97歳の現役女性写真家笹本恒子さん。

97歳で現役の、女性初の報道写真家の
笹本恒子さん。

このブログでご紹介しました。
その後も、本を出版され、テレビ、ラジオ、新聞などに、
数多く登場していらっしゃいます。

2012年3月14日、毎日新聞夕刊の「新幸福論」で、
インタビューに答えていらっしゃいます。

その中で、特に印象に残ったのが、最後の部分。

インタビュアーが、笹本さんに、
《97年の人生で、どの時代が良かったですか》
と尋ねています。

戦中、敗戦直後の食糧難の話をされた後、
次のように続けられています。

《戦前は確かに物質的には貧しかったけど、
人のつながりは今よりあった気がします。
わたくしの家の前がチンチン電車の終点でした。
当時は車もなく、一つ手前の停留所に
人力車のたまり場があっただけ、わたくしの母と
祖母が話し合って、玄関前に蛇の目傘30本ほどおいて、
「ご自由にお使いください」と。雨が降ると、
みなさん傘を持っていきました》。

さて、その後、どうなるのでしょうか?

《翌朝、玄関前で「ありがとうございます」と
男の人の大声がしたり、おみかんを少々持って
「主人がお世話になりました」と傘を返しに来る
ご婦人がいましたね。ちょっとしたことだけど
小さな幸せかもしれない》。

最後の最後、笹本さんは、受け取り方によっては、
痛烈な一言を発して、締めていらっしゃいます。

《今の時代ならば、傘は戻ってくるかしら》。

どうでしょうか?

以前、駅にやはりこうした善意の傘を置いたところ、
傘が3割ほどしか返ってこず、補充を重ねているものの、
非常に困っているというニュースがありました。
(西武新宿線沼袋駅。「沼袋アンブレラハウスの会」)

調べて見ると、こうした傘の無料貸し出し。
いろいろな所で、行なっていますね。

城崎温泉 「みんなの傘 善意の傘」
http://kinosaki.co.jp/mkasa.htm

大阪市狭山市金剛駅
http://www12.ocn.ne.jp/~simin025/sub4x2.htm

兵庫県赤穂市、JR播州赤穂駅
「もちより傘」
http://www.ako-minpo.jp/news/5177.html

東京都葛飾区亀有、「カメカサ」
http://www.kameari-net.com/kamekasa/

渋谷、「シブカサ」
http://shibukasa.com/

「シブカサ」は見かけたことがありますね。
確かもともとは、学生が社会起業として始めたはず。
続いているようですね。

東京都の都立公園で、傘の貸し出しをやっているよう。
《ふれあい傘の無料レンタルサービス》
http://www.tokyo-park.or.jp/search/documents/091204_rentalparasol.pdf

昔と変わらず、公徳心があり、人とのつながりもある、
まだまだ日本も捨てたもんじゃないと、
胸を張って言いたいものですね。

笹本さんが、2月21日に出された一冊。

97歳の幸福論。ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣》(アマゾン)

さらに、この春、自伝を出される予定だそう。

関連エントリー
97歳の現役写真家。元祖・カメラガール? 毎晩1杯のワインが健康の秘訣。笹本恒子さん。




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nikitoki

北海道新幹線の開業に合わせて、函館市内で、観光客向けの雨傘の無料貸し出しサービスが始まりました。1500本用意した傘のうち、およそ1100本が返却されていないそう。傘を追加したものの減る一方。このままではこのサービスを続けられないと困っているそう。小樽観光協会は同様の傘の貸し出しサービスを行っています。毎年、およそ1500本の傘を貸し出し。1年後に残るのはわずか40本程度だそう。6月26日の天声人語に出ていましたが、福井市の仁愛女子高が、10年前から続けた傘の無料貸し出し活動「愛の傘」を終了することになったそうです。貸し出しの傘のうち
1ヶ月後に9割が戻らないため。返却率をあげるため派手な色にしたり、返却先のメモを書いたりと努力しましたが、上がらなかったようです。学校関係者が「傘のことだけで言うなら、人の性善説よりも性悪説の方があてはまる気がします」との言葉が紹介されていましたが。残念ですね。
by nikitoki (2016-07-04 10:15) 

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