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人生のみがき砂。

何年か前の年末年始、
友達とそのまた友達のロシア人カップルと一緒に、
伊勢神宮、志摩を旅行したことがあります。

一泊目のホテルは、磨洞温泉。
夕食は、洞窟の中でとるのですが、
そこは、昔、みがき砂をとった後の採掘跡なのでした。
(三重県津市半田地区)

あなたは、みがき砂をご存じでしょうか?
今でいうとクレンザー。
金属製の鍋、釜などの汚れを落とし、磨くのに使った
白い細かい砂のことです。

三重県津市半田地区は、江戸時代から
そのみがき砂の産地。
その温泉に限らず、地区には採掘した後の
洞窟がたくさん残っているそうです。

この「みがき砂」で思い出したのが、
池波正太郎さんの「男の作法」という本。

この中に、「みがき砂」が出てきます。

鍋の底を磨いてきれいにするみがき砂。
本人さえそのつもりになれば、
試練、苦難に限らず、仕事、人間関係、衣食住など、
人生のすべては、人間を鍛える「みがき砂」になると。

先日、何かの折に、亡くなった俳優・地井武男さんを
インタビューした新聞記者が思い出を記した記事を読みました。

そこにこの「みがき砂」のことが書かれていました。

《写真特集:地井武男さん「みがき砂」で格好よく 〜人生は夕方から楽しくなる〜 2010年7月16日
2012年06月29日》
http://mainichi.jp/feature/news/20120629org00m040001000c2.html

《収録を終えたロケバスの中で、ひょいと地井さんはカバンから
新潮文庫を取り出した。池波正太郎作「男の作法」だった。
 「この本に『みがき砂』とある。人間は生きていれば、いろんなことがある。
落ちてきた砂を振り払ってもいいけど、その砂で自分を磨いてみたら、
きれいになるんじゃないか。僕は68歳になっても青臭いんだけどね、ははは」》

人生のすべてを「みがき砂」にするという意識、
わすれていたなー。

関連エントリー
磨き砂を掘って出来た洞窟で鴨鍋。磨洞温泉。


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