乳がん体験者が多い自分の周辺。岡江久美子さんの逝去に大きなショック。

自分の周囲には乳がんを
患った人が大勢います。

すでに手術から5年以上経過した人も
多いですが、現在、抗がん治療中の人も。

そうした人たちが、女優の岡江久美子さんの
逝去に大きなショックを受けています。

岡江さんの事務所が出した文書には、
岡江さんは2019年末に初期の乳がんで
手術を受けていたこと。
今年１月末から２月半ばまで放射線治療を
受けていたこと。
そして免疫力が低下したことが重症化の原因と
考えられる旨の記述がありました。

現在、抗がん治療中の人は、体験的に
抗がん治療をした時には徐々に体力、
免疫力が下がってきて、それが次第に
回復してくることを知っています。
（抗がん剤を飲んだり、点滴したり、
また放射線治療の場合も）

わが家でも乳がんではないのですが、
やはりがん患者がいて、抗がん剤治療を
行っています。
（抗がん剤の飲用、点滴、放射線治療）

その付き添いで行った際に、
担当医から同様なことを告げられ、
インフルエンザなどの感染症、各種の炎症に
十分留意するように言われました。

なので上の事務所の説明には、自分も
また周囲の乳がん患者の友人たちも
ある意味、納得だったのですが……。

ところが、公益社団法人日本放射線腫瘍学会では、
《乳癌術後の放射線治療について －会員の皆様へのお願い－ 》
https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/news/20200424_2.pdf
との文書を出しています。
その中には、以下のような記述がなされています。

《早期乳癌手術後に行われる放射線治療は体への侵襲が少なく、
免疫機能の低下はほとんどきたしません。
現在のところ乳癌術後の放射線治療が新型コロナウイルス感染症の
重症化を招くという科学的根拠もありません。照射後の肺臓炎が
COVID-19 感染により増悪する可能性は否定できませんが、
適切に施行されれば照射後の肺臓炎発症のリスクは極めて低く
抑えられます。》

確かに他の治療に比べれば、放射線治療は、
体への負担は少ないとは言われていたのですが……。

日本臨床腫瘍学会は、
https://www.jsmo.or.jp/
HPで、がん患者と新型コロナウイルス感染症の関係について、
以下のようなことを紹介しています。

《９）がん患者にとって新型コロナウイルス感染症のリスクは何ですか？
COVID-19に罹患したがん患者さんを対象とした最近の中国の研究では、
過去1か月以内に化学療法または手術を受けた患者さんでは、
感染した場合の重症化リスクが高いことが報告されています。
現在がん治療を受けている患者さんは、寛解している患者よりも
おそらくリスクが高いと思われます。幹細胞移植またはCAR-T細胞療法を
受けて１年以内の方は，COVID-19に感染すると、合併症を発症する
リスクが高い可能性があります。また、これらの治療後１年以上
経過した方でも、免疫障害がある方は高リスクです。》
https://www.jsmo.or.jp/general/coronavirus-information/qa.html

岡江さんは初期の乳がんで手術。
その後、放射線治療を受けていたとのこと。

なので、それだけであれば、
専門日本放射線腫瘍学会が公表している通り、
免疫機能の低下はほとんどきたしていなかった
のかもしれません。

ただがんの種類、ステージによっても、
さらに抗がん剤などによる化学（薬物）療法を
行っているかどうか、年齢などにより、
免疫の低下の具合、新型コロナウイルス感染症の
重症化のリスクは、大きく違っているんでしょうね。

司会をつとめていた朝のワイドショー。
岡江さんは17年半無遅刻無欠席だったそう。

人一倍、健康維持には留意していた岡江さんが、
そんな方でも、乳がんになり、さらには
新型コロナウイルスに感染し亡くなってしまうなんて。

この新型コロナウイルス。

当初は、甘く見ていた報道も多かったのですが、
かなり厄介な病気なのかもしれません。

岡江久美子さんのご冥福を
心よりお祈りいたします。

日本放射線腫瘍学会が
放射線治療について記したパンフレット。

多くのがんに効果的であること。
通院での治療が可能で、他の療法に比べ安価であること。
体への負担が少ない（健康な細胞を傷つけない）こと
と言ったメリットが記されています。

https://www.jastro.or.jp/customer/ordinary/customer_leaflet.pdf