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漫画家のさいとう・たかをさん、亡くなる。「ゴルゴ13」は連載継続。最終回は金庫の中に。

「ゴルゴ13」「無用ノ介」など
数々のヒット作品を出された
漫画家のさいとう・たかをさんが、
2021年9月24日に亡くなられました。

「ゴルゴ13」。
今日行われた自民党総裁選で河野太郎氏の
紹介VTRの中にも取り上げられていました。
政界では、麻生太郎財務大臣もファンであると
知られています。

自分も中学生くらいの頃から、
ずっと読んでいました。

大学、社会人になって、
国際政治のことを少し勉強するようになって、
「ゴルゴ13」の描く世界が、時々の国際情勢を
見事に反映していることがわかり、
余計にファンになりました。

それにはさいとう氏の築いた
それぞれの専門家集団による
集団政策体制があったのですね。

今からもうずいぶん前になりますが、
ある縁があり、さいとう・たかをさんに
数度、お会いする機会がありました。

さいとうプロダクションに出向いて、
じっくりとお話を伺うことができました。

さいとうさんと自分にはある共通点があり、
それで気に入っていただいたのか、様々な裏話、
政策秘話も伺えました。
(あとから他のスタッフの方に伺ったら、さいとうさんは、
サービス精神が旺盛な方でどなたにも分け隔て無く、
惜しみなく話をされるとのこと。自分だけではなかったようです)

膨大な資料群やモデルガン、ゴルゴ13の
等身大のフィギュアなどを見せていただきました。

ゴルゴ13は、世界各地が舞台になり、
様々な武器なども出てきます。
それらは世界各地の写真、切り抜きなど
大量のスクラップブック、モデルガンなどを
もとに専門の方が描いていること知り、驚きました。

今ではインターネットで様々な画像を検索することが
できますが、そういうものがない時代。
街角の様子を知るために、現地にスタッフが
写真を撮影しに出かけたことも多々あったとか。

さいとうさんは、自分の作品は、
漫画ではなく劇画で、この世界で
初めて分業制を確立した
とおっしゃっていました。

それは小さい頃からずっと見てきていた映画の影響。
脚本家、美術、カメラマン、監督など数多くのスタッフが
それぞれの仕事を担当し、一つの作品を作り上げます。

作品の質を保つには、専門のスタッフが得意な
分野をやったほうがいい。
そう考えて劇画の世界に制作体制を
構築されたとのことです。

「ゴルゴ13」で自分(さいとうさん)の役割は、
主人公の顔。セリフをほとんど発しないゴルゴ13。
秘めた感情をあらわす彼の顔。
微妙で繊細な描くのはかなり困難。
なのでそれを描くのは自分しかいない
と話されていました。

また数々のインタビューでも答えていらっしゃいますが、
「ゴルゴ13」の最終回は、連載が始まってすぐの時に、
もう自分の中にはあって、決まっている。
しかし「ゴルゴ13」は、自分だけの作品ではない。
スタッフや読者のものでもある。

万が一の時に、未完で終わってはいけないので、
今は、プロダクション内の金庫の中にもう描いて
入れてあるとのことでした。

お会いした後、もうかなり経っていますので、
どうなったのでしょうか。

ただ報道によれば、ゴルゴ13の連載は、
さいとうさんがお亡くなりになった後も続く
とのことですので、
最終回の出番はまだまだなさそうです。

これまで一度も休載をしたことがないのが、
自慢で、そのために、自分が病気やいなくなっても、
作品を生み出す体制を作り出したさいとうさん。

実際、ご自身が病気、手術で入院などもあり、
ピンチもあったけれど、この体制のおかげで、
連載中止を免れたのですね。

その言葉が生かされる時がきたわけですが、
さいとうさんがいない世界でゴルゴが
描かれるのは、やはり残念です。

「ゆっくりするのは亡くなるとき」とも
おっしゃっていました。
立派な仕事をなしとげられました。
その言葉通り、ゆっくりとお休み下さい。



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