SSブログ

「どうもありがとうございました」。縁切り言葉。十代目桂文治師匠。

2011年12月25日、、
ついていたテレビをぼんやりと見ながら、
遅い昼御飯をとりました。

長寿番組、「新婚さんいらっしゃい!」が、

福島の新婚さん二組を紹介していました。

《新婚さんいらっしゃい!がんばっぺ福島!スペシャル》

年末スペシャルということで、
元フラガールの出演者が、フラダンスショーを披露。
司会の桂三枝さんも、得意のウクレレで演奏に参加されていたのです。

番組の最後、司会、出演者の人たちが、
視聴者、会場の皆さんに、挨拶をします。

「皆さん、どうもありがとうございました」。

被災にも負けず、これから前向きに頑張っていくという決意が見え、
見ているこちらにも、勇気を与えてくれた放送でしたが、
この「ございました」が気になりました。

以前、もうお亡くなりになった十代目桂文治師匠が、
落語の中で、「江戸の戸締まり言葉、縁切り言葉」ということを
織り交ぜて、さりげなく言葉遣いについて教えてくれたことがあります。

戸締まり言葉については、弊ブログでも記したことがあります。
相手の気持ちを受け入れない、戸を閉じてしまう言葉遣いのこと。

もう一つ、「縁切り言葉」とは、まさに上のような、お礼の挨拶。
「ありがとうございました」は、そこで縁を終わりにする、
もう関係を以後、もちたくないことを意味する。

だから、今後も、つきあいを続けて欲しい、関係を保ちたい場合には、
決して使わない。
江戸では特に商人は、過去形で終わる縁切り言葉を使わなかったそう。

「どうもありがとうございます」
「お引き立てどうもありがとう存じます」
というように、必ず現在形で終わるのだと。

今後、福島の人達には、長い間、
放射能という試練が待ち構えています。
福島、そしてそこに暮らす人々と、この先、
ずっと縁をつないでいきたいと感じます。

関連エントリー
D言葉をご存じですか? ネガティブな言葉は、人生を後ろ向きにさせる。
あなたの口癖には、あなたの頭の生活習慣病が隠れている。「でも」「どうせ」ではなく、「なるほど」。
《トクダス》
「とりあえずお友達から」で失敗した男性。「とりあえずビール」。

追記 2023年3月5日
〇3月1日の《編集手帳》に桂文治師匠の話が。
 《「やじうまではない。やじんまだ」。先代の桂文治師匠は江戸時代の
 言葉遣いを弟子らに厳しく仕込んだ◆礼の言い方にもうるさかった。
 「ありがとうございました」は駄目で、「…ございます」を奨励したという。
 <「ました」じゃ、「この後はご 贔屓ひいき にして 戴いただ かなくても結構で」
 って言ってるようなもんですから…縁切りですよ>
 (『十代文治 噺家のかたち』うなぎ書房)》
https://www.yomiuri.co.jp/note/hensyu-techo/20230301-OYT8T50000/
 改めて、師匠の教えをかみしめました。
 
十代文治 噺家のかたち




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0