SSブログ

テキ屋のいない夏祭り。

日本橋の三越劇場から自宅まで、
歩いての観劇からの帰り、
太鼓の音が聞こえてきました。

堀留公園で、納涼夏祭りが開かれているよう。

立ち寄り、少し覗いてみることにしました。

公園の中央にやぐら。
その前で女性だけの集団が、太鼓をたたいていました。

その周囲に見学する人が何重もの輪になっています。

さらにその輪の外に長蛇の列が。
生ビールを求める人の列です。

さらに公園の向こう側の端には、テント3張り。
枝豆、焼きそばなどを売っています。

枝豆は100円。
売っている人は、近所の人。
いわゆるテキ屋ではありません。

わが家の近所の浜町公園での夏祭りでも
ずいぶん前から、町内会の人が出店し、
テキ屋は排除されています。

昨日、弊社社長は、友達と中央区八丁堀で食事、
その後、鐵砲洲稲荷神社を訪れたところ、
隣での公園で、やはり夏祭りの最中。
そこでのお店もすべて近所の方が販売していたそう。

2011年10月に東京都暴力団排除条例で
祭りに暴力団を関与させないという努力規定が新設され、
ますますこうした流れに拍車をかけたようです。

値段も安くて、雰囲気も明るくて、
家族連れの方には好評みたいですね。

小学生の頃、夏休み中に開かれた
祖母宅近くのお寺の夏祭り。

屋台、夜店に素人の出る幕はなく、
みんなテキ屋のお店でした。

自分が小学校高学年の時、
10歳近く下の従兄弟をつれて2人で出かけました。

ふと目を離したすきに、従兄弟の手には、綿あめが握られ、
キャラクターのお面が頭の上に乗っていました。

あわてて従兄弟に近寄ったら、
すかさずテキ屋のおじさんが、
「二つで1500円ね」と請求してきました。

まだ世慣れていなかった自分は、言われるがままに
お金を払って、もたせてくれた小遣いがほぼゼロになってしまいました。

自分のものは何も買わず、
従兄弟の手をひいて、とぼとぼと寂しく祖母宅まで
帰ったことを思い出します。

またそれより小さかった頃、
自宅の近所の神社の秋祭り。

小一時間ほどかけて「型抜き」を成功させ、
店のおじさんに見せたら、「ほらここが欠けている」と、
告げられ、「そ、そんなことはない」と反論しようとしたら、、
すぐさま「残念でした。また次、がんばってね」と、
出来上がった作品を割られて食べられてしまったのです。

あの時の無念さ。
今でも思い出すと、目に涙がにじむほど……。

テキ屋のお兄さん、おじさんたちは、
なんだか、ちょっといかがわしくて、とっつきにくい反面、
一度、顔見知りになると、ひいきしてくれたり、
型抜き、射的のちょっとしたコツを
教えてくれたりもしました。

いわば彼らは社会の裏を見せ、理不尽さを
味合わせてくれる存在だったのかもしれません。

明るく、清潔で、裏がなく、毒や悪の要素が
徹底的に排除された世界。

それは望ましい世界なのでしょう。
が一方で、失ったものもあるのかもなどと
公園から家までに思ったことでした。




nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0