コロナ感染拡大を阻止するために「ギアを一段上げる」との小池都知事の発言は正しいのか。
2021年3月11日、毎日新聞朝刊の
4コマ漫画「桜田です！」は、
管総理、小池都知事の
「ギアを一段上げましょう」
との発言を取り上げていました。
１コマ目では、登場人物（演歌歌手という設定らしい）
の男性が、管総理らしき人物が「ギアを１段あげて」
と話すテレビを見ながら、
《「首都圏の感染者はなかなか減らないな」》と発言。
それを聞いている妻。
２コマ目は、今度は、小池都知事らしき女性が、
《ギアを１段上げましょう！》と話すテレビを
見ている男性が、《感染者を減らすのは難しいな》
と腕組みしています。
隣には、同じ画面を眺める無言の妻。
3コマ目は、男性が車を運転しながら、
《車のスピードを上げる時って……》
とつぶやいています。
そしてオチの4コマ目では、
《ギアを一段下げるんじゃないのか？》と、
助手席の妻に問いかけます。
近頃は、オートマ車が多いですが、
それでもギアはありますね。
マニュアルでもオートマでも、
スピードを上げるときは、
確かに言われれば、一段ギアを落としますね。
力のある低速ギアにして、
アクセルを踏んで、スピードを出す。
出たら、今度はギアを2速、3速に上げる。
でも慣用表現として、力を入れるとき、
何かをしっかりと実行する時って
「ギアを上げる」って言いますよね。
なんでだろう。
「ギアを上げる」は慣用句として、
デジタル大辞泉にも掲載されています。
《自動車の変速機（ギア）を上げてスピードを出すように、
自身のもつ技術・能力をさらに出す。多く、スポーツ選手に
ついて用いられる語。》
https://dictionary.goo.ne.https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052100621&g=spo
jp/word/%E3%82%AE%E3%82%A2%E3%82%92%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%8B/
時事通信のサイトでは、
《「ギアを上げる」とどうなる？ 【スポーツの言葉考】（４）
2020年05月23日08時00分》との記事が。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052100621&g=spo
そこには、今年、楽天に復帰した
田中投手が、以前の楽天時代に、
星野監督の下、2011年6月15日に
初完封をマークした時のことが書かれています。
星野監督は、
「田中はギアを上げてくるタイプ。流しておいて
勝負どころでバシッといくことができる」とコメント。
《スポーツ記事で「ギアを上げる」が定着したのは
この頃からのようだ》とあります。
いやー、結構新しいな。
なお《陸上競技では、ぐんぐん加速する際の
比喩として以前から使われていた》とも。
一般では使われていたけれど、
記事として使われ始めたのは、
2011年頃からということなんでしょうか。
記事ではその後、自動車のギアについて考察。
《実際の自動車では急加速させたい時にギアは上げない。
馬力（パワー）を引き出すためには、エンジンの回転数と
回す力（トルク）の両方をタイヤに伝える必要があり、
「勝負どころ」ではギアを落とす。》
そうですよね。
「ギアを上げる」が慣用表現として、
定着したいきさつを次のように考察しています。
《選手が全力を傾注する描写で正確を期すなら
「ギアを一段落とした」になる。しかし、「下げる」や
「落とす」では威勢が良くないし、語感もなじまない。
そんな理由で誤解されたまま定着したのだろう。》
最後に、現代の若者はオートマチック車が当たり前になり、
さらには車を持たない人も多いから、疑問にも思わない旨の
記述でしめています。
自分は、マニュアル車世代。
スピードを出すときには、
ギアを一段落とすということを、
体験していますし、実感できます。
しかし慣用表現としては、
「ギアを上げる」は使っています。
言われれば、実際とは逆でおかしいのですが、
そのまま、納得できる表現として受け止めていました。
なんでなんでしょうか。
ぼーっとしているからか。
「上げる」というのが、「力を入れる」
イメージとつながるからでしょうか。
しかしネットなどを見ると、この表現は、
実際と真逆（反対）だと違和感を覚えている人もいるよう。
本来は、そうした人の方が、しっかりと
物事を見ている人なのかもしれません。
それはそうと、管総理（私は総理が「ギアを上げる」と
発言したのを見聞きしていないのですが……）、
小池都知事のコロナ感染拡大を阻止するために、
国民・都民に、「もう一段ギアを上げなければ」と
求めるのは、さすがに違和感を覚えます。
先にギアを上げねばならないのは、
行政側であろうと思うのですが……。
それはコロナ感染拡大防止に限らず、
まさに今日3月11日に10年を迎えた
東日本大震災からの復興にも言えます。
被災者ではなく、政府、東京電力が、
復興に「1段ギアを上げて」ほしいですね。
4コマ漫画「桜田です！」は、
管総理、小池都知事の
「ギアを一段上げましょう」
との発言を取り上げていました。
１コマ目では、登場人物（演歌歌手という設定らしい）
の男性が、管総理らしき人物が「ギアを１段あげて」
と話すテレビを見ながら、
《「首都圏の感染者はなかなか減らないな」》と発言。
それを聞いている妻。
２コマ目は、今度は、小池都知事らしき女性が、
《ギアを１段上げましょう！》と話すテレビを
見ている男性が、《感染者を減らすのは難しいな》
と腕組みしています。
隣には、同じ画面を眺める無言の妻。
3コマ目は、男性が車を運転しながら、
《車のスピードを上げる時って……》
とつぶやいています。
そしてオチの4コマ目では、
《ギアを一段下げるんじゃないのか？》と、
助手席の妻に問いかけます。
近頃は、オートマ車が多いですが、
それでもギアはありますね。
マニュアルでもオートマでも、
スピードを上げるときは、
確かに言われれば、一段ギアを落としますね。
力のある低速ギアにして、
アクセルを踏んで、スピードを出す。
出たら、今度はギアを2速、3速に上げる。
でも慣用表現として、力を入れるとき、
何かをしっかりと実行する時って
「ギアを上げる」って言いますよね。
なんでだろう。
「ギアを上げる」は慣用句として、
デジタル大辞泉にも掲載されています。
《自動車の変速機（ギア）を上げてスピードを出すように、
自身のもつ技術・能力をさらに出す。多く、スポーツ選手に
ついて用いられる語。》
https://dictionary.goo.ne.https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052100621&g=spo
jp/word/%E3%82%AE%E3%82%A2%E3%82%92%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%8B/
時事通信のサイトでは、
《「ギアを上げる」とどうなる？ 【スポーツの言葉考】（４）
2020年05月23日08時00分》との記事が。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052100621&g=spo
そこには、今年、楽天に復帰した
田中投手が、以前の楽天時代に、
星野監督の下、2011年6月15日に
初完封をマークした時のことが書かれています。
星野監督は、
「田中はギアを上げてくるタイプ。流しておいて
勝負どころでバシッといくことができる」とコメント。
《スポーツ記事で「ギアを上げる」が定着したのは
この頃からのようだ》とあります。
いやー、結構新しいな。
なお《陸上競技では、ぐんぐん加速する際の
比喩として以前から使われていた》とも。
一般では使われていたけれど、
記事として使われ始めたのは、
2011年頃からということなんでしょうか。
記事ではその後、自動車のギアについて考察。
《実際の自動車では急加速させたい時にギアは上げない。
馬力（パワー）を引き出すためには、エンジンの回転数と
回す力（トルク）の両方をタイヤに伝える必要があり、
「勝負どころ」ではギアを落とす。》
そうですよね。
「ギアを上げる」が慣用表現として、
定着したいきさつを次のように考察しています。
《選手が全力を傾注する描写で正確を期すなら
「ギアを一段落とした」になる。しかし、「下げる」や
「落とす」では威勢が良くないし、語感もなじまない。
そんな理由で誤解されたまま定着したのだろう。》
最後に、現代の若者はオートマチック車が当たり前になり、
さらには車を持たない人も多いから、疑問にも思わない旨の
記述でしめています。
自分は、マニュアル車世代。
スピードを出すときには、
ギアを一段落とすということを、
体験していますし、実感できます。
しかし慣用表現としては、
「ギアを上げる」は使っています。
言われれば、実際とは逆でおかしいのですが、
そのまま、納得できる表現として受け止めていました。
なんでなんでしょうか。
ぼーっとしているからか。
「上げる」というのが、「力を入れる」
イメージとつながるからでしょうか。
しかしネットなどを見ると、この表現は、
実際と真逆（反対）だと違和感を覚えている人もいるよう。
本来は、そうした人の方が、しっかりと
物事を見ている人なのかもしれません。
それはそうと、管総理（私は総理が「ギアを上げる」と
発言したのを見聞きしていないのですが……）、
小池都知事のコロナ感染拡大を阻止するために、
国民・都民に、「もう一段ギアを上げなければ」と
求めるのは、さすがに違和感を覚えます。
先にギアを上げねばならないのは、
行政側であろうと思うのですが……。
それはコロナ感染拡大防止に限らず、
まさに今日3月11日に10年を迎えた
東日本大震災からの復興にも言えます。
被災者ではなく、政府、東京電力が、
復興に「1段ギアを上げて」ほしいですね。
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