「君は昨日の君に勝った」。受験生を励ます塾社長・斎藤勝己さん。美空ひばりさんの座右の銘。

2022年12月26日、朝日新聞「ひと」欄は、
《「君は昨日の君に勝った」と受験生を励ます塾社長　斎藤勝己（さいとう　かつき）さん（58）》

個別指導塾「東京個別指導学院」の
社長斎藤勝己さんを紹介しています。
（わが家の隣町人形町にもあります。
知人のお子さんが通っています）

曾祖父は初代三遊亭圓歌、祖父は三味線の名取りという
斎藤さんが、小さい頃から名前に込められた思いを
教えられていたそう。

「勝己（かつき）」は、「己に勝つ」。

《剣術の「柳生新陰流」に伝わる「昨日の我に今日は勝つべし」》。

教育に携わり、受験生を、
《今日、君たちは解けなかった問題が解けるようになった。
昨日の自分に勝った、成長しているんだ」》と励ましているとのこと。

このエピソードを読んで、
以前にこのブログでも取り上げた
歌手美空ひばりさんの座右の銘を思い出しました。
2011年6月21日。
《美空ひばりと宮本武蔵。「昨日の我に今日は勝つ」。》

美空ひばりさんは、「今日の我に明日は勝つ」を
歌われていますが、この歌は、
保富康午（ほとみ こうご）さんが作詞したもの。

この歌に影響を受けて、座右の銘にしたようです。

「昨日の我に今日は勝つ」の方は、新聞記事にも書かれている通り、
柳生新陰流に起因する言葉で、
柳生宗厳（石舟斎）が唱えた名言とされているようです。

「一文は無文の師、他流に勝つべきにあらず、
きのふの我に今日は勝つべし」
（柳生新陰流政党第二世・石舟斎が残した『柳生家憲』の一節）

他人より、昨日の自分に
勝つことの方が難しいのかもしれません。

新陰流の第22代世宗家となる
柳生耕一平厳信さんが執筆した一冊。
柳生新陰流の人々が残した文献をもとに、
「負けない」ための奥義が記されています。

〇以前のエントリーでは、宮本武蔵の「五輪書」から
　彼の言葉、信念を取り上げました。
　宮本武蔵は、1584年～1645年6月13日。
　柳生宗厳は、1529年～1606年5月25日。
　強さを追い求める剣豪にとり、
　自分に勝つ努力を怠らないという考えは、
　流派を問わず、共通する重要な教えなのかもしれません。
　
　以下の本は、タイトル通り、宮本武蔵との関係について記しています。

《幻の史料『刀法録』で明らかになった柳生の剣に伝わる宮本武蔵の極意！
　吉川英治の小説をはじめ時代劇、漫画等でもおなじみの剣豪・宮本武蔵。
　かたや徳川家の御家流である柳生新陰流一門。物語の中では往々にして
　ライバルとして描かれる両者ですが、実は武蔵と柳生の技術、極意には
　多くの似た点があることが以前から研究者の間で指摘されてきました。
　そして著者らが所属する名古屋春風館には壮年期の武蔵の円明流と
　尾張の柳生新陰流が伝えられています。本書は実際の技の比較と、
　この道場が所蔵している未公開の柳生文書『刀法録』を通じ、
　武蔵と柳生の思想と技における密接な関係を明らかにするものです。
　歴史、剣豪小説ファン、武術の実践者必見の極意の世界。》

関連エントリー
《亀の知恵》
《「君は昨日の君に勝った」。受験生を励ます斎藤勝己さん。美空ひばり、宮本武蔵、柳生新陰流。》